‘絵画(エミリ・フェルナンデス・ミロのために)’(1963年 ジョアン・ミロ財団)
開幕を楽しみにしてきたミロ(1893~1983)の大回顧展(3/1~
7/6)がはじまったので、早速東京都美に足を運んだ。今日は雪は
なかったが寒さがこたえる一日だったが、ミロ狂なので予定通り出かけた。
こういう日は予想通り観客は普通の入りだったが、驚くのは外国人が多い
こと。インバウンドは好調に推移しており、美術ファンは都内の美術館の
展示情報をしっかり押さえ、ミロのような世界的に知られている画家だと
出動するのだろう。美術大国日本の展覧会シーンは以前とはだいぶ変わり、
海外の美術館にいるような感じになってきた。
彼らも息を呑んでみていたのが今回3点でている‘星座’シリーズ。バルセ
ロナのミロ美にある‘明けの明星’は現地でお目にかかったが、‘女と鳥’と
‘カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち’は大収穫。1ヶ月前くらい
から拙ブログのアクセスの多い記事(デイリーベース)に度々入ってく
るのが過去に書いた‘星座’シリーズ。ミロ好き仲間は皆このシリーズがみた
くてしょうがないのかもしれない。2013年、フィラデルフィア美を
訪問したとき、運がいいことにミロを10点くらいうみることができたが、
今回出品されている絵は姿をみせてくれなかった。東京都美に感謝!
初見の作品で長くみていたのが‘絵画(エミリ・フェルナンデス・ミロのた
めに)’は左に重量感のある人物をイメージさせるフォルムが赤、青、緑、
黒の面ですっきりと構成されている。その横で手をつないでいる友達?も
同じような調子。こういうのは子どものお絵描きが何万枚あっても生まれ
てこない。
この絵も写真がOKな最後の部屋に飾ってある‘涙の微笑’も以前でかけた
ミロ美では遭遇しなかった。亡くなる10年前に描かれた‘涙の微笑’にすご
く惹かれた。近づくと白い粒子やかすれた線があるのがわかるが、どこか
日本の水墨画を思わせる。ミロの晩年の作品は抽象画が東洋の絵画と融合
しさらに進化したことをうかがわせる。