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Channel: いづつやの文化記号
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平常展示も楽しめる府中市美術館!

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   高橋由一の‘墨水桜花輝耀の景’(1874年)

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   青木繁・福田たねの‘逝く春’(1906年)

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   青木繁の‘海景’(1904年)

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   安井曾太郎の‘安倍能成君の像’(1955年)

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   コランの‘フロレアル(花月)’(1886年頃)

久しぶりに出かけた府中市美ではメインディシュの‘ミュシャ展’に大きな
オマケがついていた。ここで開催される特別展をみたあとはミュージアムシ
ョップで図録を購入し、帰りのバスの停留所にむかうというのはおきまりの
流れなのだが、今回は吸い込まれるように館蔵のコレクション展に足が進ん
でいった。

すると目を見張らせる洋画が次々とでてきた。おおー!と思わず声がでてし
まったのが高橋由一(1828~1894)の‘墨水桜花輝耀の景’。2012
年、東芸大美で行われた大回顧展で魅せられたこの風景画が府中市美のもの
だったことを思い出した。前景に大きくモチーフを描く広重の‘名所江戸百景’
にみられる特徴を由一流に消化した見事な作品である。

青木繁(1882~1911)は4点並んでいる。とくにインパクトが強い
のが恋人福田たねとの合作‘逝く春’。大きな目が印象深い。そして、印象派風
の‘海景’も青木繁の天才ぶりを見せつけている。高橋由一といい青木繁といい、
なんだか東博に開かれた‘日本の洋画展!’を楽しんでいるような気分になって
きた。これに続くのが肖像画の名手、安井曾太郎(1888~1955)の
‘安倍能成君の像’。

黒田清輝など多くの洋画家が影響をうけたラファエロ・コラン(1850~
1916)の‘フロレアル(花月)’が姿を現したのでちょっと戸惑った。これ
は一度お目にかかったことがあるが、府中市美の所蔵だったの?手元にある
美術書ではアラス美蔵となっているが、これは古い情報かもしれない。


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