来年の夏、京近美で京都の着物、近代以降の友禅染を中心とした着物の展覧
会、‘きもののヒミツ 友禅のうまれるところ’(7/19~9/15)が開催さ
れる。‘芸術新潮 これだけは見ておきたい2025年美術展 ベスト25’
(1月増刊号)に載っている森口華弘の‘友禅訪問着「彩華」’をみて即京都旅
行を決めた。
小さい頃から着物に馴染んでいるので着物への愛着は強い。だから、東近美
の工芸館(現在は石川県の金沢に移転)で定期的に飾られる着物をみるた
めに足を運んだり、10年くらいのスパンで登場する‘人間国宝展’では陶芸や
漆芸と同様、着物を夢中になってみてきた。特別展には京友禅の老舗・千總
のコレクションがたくさん出品され、‘友禅’の技法で人間国宝に認定された
作家の作品もみれるので期待で胸が大きく膨らむ。
これまで魅了された人間国宝の友禅作家は中村勝馬、森口華弘、森口邦彦、
山田貢、まだお目にかかってない着物と何点出会えるか、奥の深い友禅の世界
で今の立ち位置はまだ入り口のところ。‘ベスト25’には琳派の流れをくむ神坂雪佳の絵や雪佳の下絵によってつくられた‘光琳百花文様友禅染裂’、そして1955年に人間国宝に認定された三代田畑喜八の鳳凰をあしらった豪華な振袖なども紹介されている。鑑賞欲を強く刺激する着物の展覧会は滅多にないから、‘友禅エンターテイメント’にどっぷりつかりたい。