‘洗礼者ヨハネの斬首’(1608年 サン・ジョヴァン二聖堂)
‘慈悲の七つの行い’(1606~07年 ピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルデイア聖堂)
期待の高かった展覧会は時間がだいぶ経っても会場の雰囲気とかお目当ての
作品の前に立ったときの高揚感が今でも強く記憶に残っている。たとえば、
14年前ローマでみたカラヴァッジョ(1571~1610)の大回顧展、
がっちりした図録をながめるたびに運よく遭遇した喜びが腹の底からこみあ
げてくる。
この展覧会のあと日本でも2016年に西洋美でカラヴァッジョが11点
も登場するという‘大事件’が起きた。これで回顧展は理想の3度が達成され
たことになるので前のめり的な鑑賞は解消される状況になった。とはいっ
ても追っかけをやめるわけにはいかない。ボス、ブリューゲル、カラヴァ
ッジョ、レンブラントは特別思い入れの強い画家なので画集に載っている
作品を1点でも多くみることをいつも胸に刻んでいる。
コロナ禍の前は海外旅行によく出かけ、名の知れた美術館で良い思い出をつくってきた。旅行先のなかには優先順位の関係で外れたが、旅行会社から案内されたツアープランはまめにファイルしていた。そのひとつがマルタ島旅行。目的は名所観光ではなくてカラヴァッジョの‘洗礼者ヨハネの斬首’をなんとしてもみたいから。カラヴァッジョの絵が2点みられるシチリヤ島は旅行会社をいくつかチェックすると、なんとか参加にこぎつけられるが、マルタは個人旅行でないと難しそう。マルタ&シチリヤに上陸しまだみていない作品4点に済みマークをつけることを夢見ている。
通常の団体旅行でもやりくりすれば鑑賞ができそうなのが、ポツダムのサン・スーシ宮殿にある‘聖トマスの不信’、ナポリの聖堂とカポディモンテ美が所蔵する‘慈悲の七つの行い’と‘聖ウルスラの殉教’。わが家はスペイン好きだからマドリードはまた訪問するま可能性があるが、王宮にある‘サロメ’がお目にかかれるかについては確かな情報が今のところない。一般公開されているのだろうか、要チェック。