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Channel: いづつやの文化記号
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西洋美で大キュビスム展!

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 ローランサンの‘アポリネールと友人たち’(1909年 ポンピドゥー)

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  レジェの‘婚礼’(1911~12年)

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  ドローネーの‘パリ市’(1910~12年)

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  クプカの‘色面の構成’(1910~1911年)

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   ピカソの‘輪を持つ少女’(1919年)

西洋美で開催中の‘キュビスム展 美の革命’(10/3~1/28)をみる
ため、先週に引き続き上野にでかけた。東博のやまと絵展同様、館内には制
服姿の中学生、中国人を含む外人観光客がここにもあそこにもいた。美術史
における形の革命、‘キュビスム’の美術をポンピドゥーセンターが所蔵する
絵画や抽象彫刻でどーんとお見せしましょう、という感じだから誰にとって
もエポック的な鑑賞体験となるのは間違いない。

お目当ての作品はやはりまだみてないもの。今年はマリー・ローランサン
(1883~1956)の当たり年でポンピドゥーにある‘アポリネール
とその友人たち(第2ヴァージョン)’との対面が叶った。どういうわけか、
パリでこの絵と会った実感がない。常時展示されてない絵なのかもしれない。
真ん中の男性が詩人のアポリネールでその隣にピカソが描かれている。恋人
のローランサンは右の水色のドレスを着た女性。人物とお馴染みの鹿はいろ
いろ曲がり具合を変えた円の装飾表現によって繋がっている。

日本初登場のレジェ(1881~1955)の‘婚礼’は一度お目にかかったこ
とがあるが、今回は長く絵の前にいて大きな画面のなかに一体何人いるのか
チェックした。何度も数えたが、気づいたのは10人。キュビスム様式で描
かれている顔なので‘アハ!ピクチャー’的なところがあり、言われるとそうか、
と顔の輪郭をとらえることができる。みてのお楽しみ!

ドローネー(1885~1941)の‘パリ市’は3人の裸婦の表現がキュビ
スム+マグリット流のシュルレアリスムとなっているのがおもしろい。マグ
リットの絵は‘白紙委任状’(ワシントン国立美)をみた人は同じことをイメー
ジするだろう。クプカ(1871~1957)の‘色面の構成’は背景の明るい
暖色(オレンジと黄色)が後退する暗い寒色(青と緑)で描かれた女性を前
に押し出している。この絵と同じくピカソ(1881~1973)の‘輪を持
つ少女’ははじめてお目にかかった。手元のピカソ本に載っていないので大き
な収穫だった。


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