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Channel: いづつやの文化記号
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待望の‘ホックニー展’!

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   ‘クラーク夫妻とパーシー’(1970~71年 テート)

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   ‘額に入った花を見る’(2022年)

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   ‘ウォーター近郊の木々’(2007年 テート)

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   ‘春の到来イーストヨークシャー’(2011年 ポンピドー)

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   ‘ノルマンディーの12ヶ月’(2020~21年)

昨日は大変蒸し暑いなか、今年行われる展覧会で最も期待していた‘デイヴィ
ッド・ホックニー展’(7/15~11/5)をみるため東京都現美を訪問した。
4,5年ぶりなのでいつも通っていた道を忘れており、わかりやすい方を教
えてもらって進んだ。10時10分頃着くと、前にフランス人グループの
男女5人が並んでいた。ホックニー(1937~)の人気の高さをうかがわ
せる光景だが、展示会場に入っても多くの外国人がいた。こういう体験は
2018年の‘デュシャン展’(東博)以来だから、テンションがだんだん上が
っていく。

‘クラーク夫妻とパーシー’は日本では2度目に対面。この絵でホックニーとい
う画家を知った。光の強さを感じさせるのが猫(パーシー)の白い毛と白ユ
リの輝き。日本画でも胡粉の白が視線を惹きつけるポイントだが、西洋画で
も白の使い方が強い印象をもたらす。今年86歳になるホックニーが登場す
る‘額に入った花をみる’からは高い評価をうける現役画家の強い創作意欲が
ひしひしと伝わってくる。

チラシをみて鑑賞欲を刺激され続けていた大型作品が今回最大のみどころ。
‘ウォーター近郊の大きな木々またはポスト写真時代の戸外制作’は横に大き
く広がる木々の細い枝の描き方をみて、すぐアンリ・ルソーや日本画家の
横山操、加山又造の絵を思い出した。ポンピドーが所蔵する‘春の到来イース
トヨークシャー、ウォルドゲート’はすっきりした左右対称の構図、紫、橙色、
赤で彩られて木の太い幹の印象深さ、舞い散る花びらの見事な動感描写を息
を呑んでみていた。

1階にある最後の展示室にぐるっと飾られた90mの‘ノルマンディーの12
ヶ月’を楽しくみた。こんな花が沢山でてくる絵巻のような絵を描くというの
はホックニーが中国画や日本画が大変好きなのだろう。途中、円山応挙の松
の描き方を連想させる場面もでてくる。みてのお楽しみ。こんなすばらしい
絵がみれたことは生涯の思い出になる。ホックニーに乾杯!


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