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Channel: いづつやの文化記号
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美術館に乾杯! オルセー美 その二十四

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   ブールデルの‘弓を引くヘラクレス’(1909年)

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    クローデルの‘熟年’(1913年)

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    ドガの‘14歳の踊り子’(1881年)

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   ゴーギャンの‘オヴィリ(野生)’(1894年)

近代以降につくられた彫刻で知っている作品の数が多いのはやはり
ロダン(1840~1917)。パリのロダン美へ足を運んだから美術本
にでている多くの作品を楽しんだ。では次が誰かとなるとすぐにはでてこ
ない。しかし、昨年オスロでヴィーゲラン(1869~1943)の見事
な彫刻をどどっとみたのでトップツーは決まった。

この二人以外で名前がぽんぽんと浮かぶのはブールデル(1861~
1929)、昨日とりあげたマイヨール(1861~1944)、クロー
デル(1864~1943)あたりまで。でも残念なことにこれまでみた
ものが少ない。そのため、‘弓を引くヘラクレス’はブールデルと深く結び
ついている。ヘラクレスが弓で狙っているのは怪鳥、岩に足を踏ん張り弓
を力強く引く姿は目を見張らせる。小さな顔は古代ギリシャの彫像風な
ためギリシャ神話の世界に誘われる。

カミーユ・クローデルの‘熟年’はカミーユとロダンの愛の関係を知ってみる
とつい過剰に感情移入してしまう。この彫刻はリアルすぎる。老婆(ロダ
ンの妻)に寄り添われた男(ロダン)に振り切られる女(カミーユ)。
芸術家の愛の物語で一番生々しいのはピカソとこのロダン。

彫刻もてがけたドガ(1834~1917)は‘14歳の踊り子’がピカ一に
すばらしい。作品の前に立つと本物の少女と向き合っているような錯覚を
おぼえる。バレリーナの足首はとにかく柔らかい。バレエみたのはエル
ミタージュ美の舞台一回だけ。最近はチャイコフスキーを聴いていないの
でバレエとの縁が薄くなっている。

ゴーギャン(1848~1903)の彫刻作品は昨年コペンハーゲンの
ニューカールスベア美でいくつかみた。予想以上のゴーギャンだったのは
ミューズのお陰、北欧まででかけた甲斐があった。オルセーにある‘オヴィ
リ’はタヒチの世界の色が強くあまり長く見ていると夢でうなされそう。


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