ヨーロッパの磁器ではマイセンと並んで人気の高いセーヴル、サントリー美ではじまった‘フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年’(11/22~1/28)をみてきた。開幕した日に足を運ぶことは少なくなっいるが、タイミングが合い早い出動となった。
これまで縁のあったセーヴル焼の名品で記憶によく残っているのはロンドンのウォレス・コレクションでみた緑の船形ポプリ壺とNYのㇷ゚リックコレクションに飾ってあった壺。ほかにもセーブルブルーが目にやきつく皿などに魅了されたが、どこの宮殿にみたかはしかと覚えていない。
今回でているのは国立セーヴル磁器製作所と国立セーヴル陶磁美が所蔵しているもので130点ほど。セーヴルを創立から現代までの300年のスパンでみられたのは幸運なめぐり合わせ。そのなかで最もぐっときたのが白と紫の組み合わせが優雅さを際立たせている‘壺 ポプリ・ポンパドゥール’。これは一生の思い出になる。
金彩をあしらった緑の地に木々や鳥を描きこんだ‘壺 ポプリ・エベール’も思わず足がとまる傑作。フランスの王侯貴族の心をしっかりとらえたにちがいない。白の美しさが魅力のマイセンに対し、セーヴルの窯はルイ王朝の力に支えられて最高の気品と優雅をそなえた壺や皿を生み出した。
青の輝きが目を楽しませてくれる‘大皿’(ルイ15世のブルー・セレストのセルヴィスより)も長くみていた。3階に降りると目を見張らされる現代のセーヴルがずらっと展示してあった。そこになんとあの草間彌生とコラボした‘ゴールデン・スピリット’が、これはやられた!
草間だけではない。カルダー、スーラ―ジュ、アルプ、ジム・ダインとも一緒につくっていた。どんどん進化を続けるセーヴル、強い刺激を受けた。