2日前、知人から電話があり‘上野でやっているラファエロ展はいいですか?’と聞かれた。そういうお話ならと美術館に代わって大宣伝しておいた。美術の本によく載っている傑作‘大公の聖母’が日本にはじめてやって来てから1ヶ月が過ぎ、展覧会は中間点にさしかかるところ(6/2まで)。月末からのGWに入るとラファエロ人気はさらに沸騰するにちがいない。
今年前半に行われる西洋絵画関連の展覧会で主役をつとめるのは最初がエル・グレコ(7日に終了)で、次がラファエロ。上野では1ヶ月ちょっと二人の共演が実現したが、23日からはダ・ヴィンチが東京都美に登場し、ルネサンスのビッグツーのコラボがスタートする。
‘レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像’(4/23~6/30)にでてくるのはミラノにあるアンブロジアーナ図書館・絵画館が所蔵する‘音楽家の肖像’と‘アトランティコ手稿’。8年前、ビル・ゲイツが所蔵するダ・ヴィンチの直筆ノート‘レスター手稿’が森アーツセンターで公開されたが、今回は最も有名なアトランティコ手稿。これは見逃せない。
油彩の‘音楽家の肖像’は一度現地でみたことがある。06年のこと。ダ・ヴィンチはこの絵に遭遇したので画集に載っている作品はコンプリートになった。が、翌年小学館から出版された‘西洋絵画の巨匠シリーズ レオナルド・ダ・ヴィンチ’ではこの作品は‘レオナルド工房作か’となっている。著者の池上英洋氏は真筆説には否定的。ダ・ヴィンチ研究の権威のマーティン・ケンプ(オッククフォード大)氏の見解はどっち?
ラファエロとダ・ヴィンチがともに日本で楽しめるなんて夢みたいな話だが、秋になるともう一人のビッグネーム、ミケランジェロが西洋美にやって来る。会期は9/6~11/17、ミケランジェロの彫刻が過去に日本で公開されることは一度あったがこの時は木彫、今回展示される‘階段の聖母’はおそらくはじめての大理石の彫刻作品。所蔵しているのは3年前フィレンツエへ行ったとき出かけたカーサ・ブオナローティ。再会が楽しみ!