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Channel: いづつやの文化記号
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圧巻 ‘狩野山楽・山雪展’!  山楽

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Img_2     ‘龍虎図屏風’(重文 右隻 17世紀初 京都・妙心寺)

Img_0001_2     ‘龍虎図屏風’(重文 左隻)

Img_0002_2     ‘紅梅図襖’(部分 重文  17世紀初 京都・大覚寺)

Img_0003_2     ‘文王呂尚・商山四皓図屏風’(部分 重文 右隻 17世紀初 京都・妙心寺)

4年ぶりに京都を訪れ京博で開催中の‘狩野山楽・山雪展’(3/30~5/12)をみてきた。これは日本美術の展覧会では最もみたかったものだから、ワクワク気分で入館した。

出品作は83点、大半が通期の展示で一部、前期(3/30~4/21)と後期(4/23~5/12)に登場する。そのうち山楽(1559~1635)は17点、そして山楽と山雪の合作が2点、残りが山雪(1560~1651)。なにしろはじめて体験する山楽・山雪の回顧展だから収穫は多い。手元に画集がある山楽はまだお目にかかってないのが4点、そして山雪は初見の作品があれもこれも、テンションはどんどん上がっていく。

最初の部屋に山楽の傑作がずらっと並んでいる。これは圧巻!運よく過去みたものだが、こうして一堂に会すると山楽の技量の高さを再認識する。やはり見入ってしまうのが妙心寺にある‘龍虎図’。これは09年東博であった‘妙心寺展’でも公開された。

数多く描かれた龍虎図、獰猛さではこの虎の右にでるものはいない。足を大きくひろげてふんばり顔を横に向け龍を威嚇する姿は迫力満点、こんな怖い虎には危険すぎて近づけない。一方、龍のほうも画面の構成が印象的、その胴体は多くが二つの雲の渦巻と斜めにのびる3本の光の帯に隠れている。稲妻で虎を幻惑させようという作戦か、かっと見開いた目で虎を睨み返している。どちらも強い生命力がまわりの空気をびりびり振動させている感じ。何度見ても惹きこまれる。

‘紅梅図襖’は永徳を彷彿とさせる豪快な樹木とピンクの梅に魅了される堂々たる金碧画。09年の京都美術巡りのときは最後に行った大覚寺でじっくりみた。横に広がる紅梅、細い枝がリズミカルにのび美しいつぼみを咲かせている。動きを感じさせる大きな幹、そしてそのダイナミズムを柔らげる花の繊細な描写。動と静を優雅に溶け合わせた山楽独自の世界。心ゆくまでみていた。

‘文王呂尚’の魅力は鮮やかな色彩、文王やおつきのものが着ている衣服の白や緑、うす青の発色の良さ。これまでみた山楽の屏風では一番色が輝いている。


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