今年は1月にアメリカの美術館をまわったので、日本で開かれる展覧会をみているだけではほとんど縁のない画家との対面が実現した。二人いる。アンリ・ルソーと点描画のスーラ。
幸運にもお目にかかれたルソーは全部で8点、美術館の内訳はワシントンナショナル・ギャラリー3点、フィラデルフィア美とMoMA2点、そしてグッゲンハイム1点。主要な美術館をめぐるだけでこれだけのルソーがみれるのはアメリカのコレクターがルソーを熱心に蒐集してくれたお蔭。アメリカの美術館はまさにルソーの宝庫。MoMAでは大作の‘眠るボヘミアンヌ’と‘夢’の前に大勢の人がいた。この光景をみると時代の空気が人々の目をルソーの絵に向けさせるのか、ルソーの人気が相当高いことを実感する。
もうひとりのスーラは7点をみることができた。MoMAで追っかけ画3点がすべてみれたのは嬉しい誤算。ルソーと同じようにアメリカにはスーラの傑作がずらずらっとある。アメリカは国土が広いのでシカゴ、NY、フィラデルフィアを回るのは日数を要するが、この3都市でとびっきりの点描画をみればスーラの‘通’になれることは請け合い。
そんなわけで今年わが家はルソーイヤーであるとともにスーライヤー。ルソーは今開催中の‘プーシキン美展’でも‘詩人に霊感を与えるミューズ’にであった。縁があるときは縁が重なるもの。これはスーラにもいえる。国立新美の‘印象派を超えて 点描の画家たち’展(10/4~12/23)にはオランダのクレラー=ミュラー美からスーラがやってくる。
2年前訪問したクレラー=ミュラー美はゴッホの名画をいっぱいコレクションしているだけでなく、目を見張らせるスーラの点描画も揃えている。そのうち何点が出展されるかまだ情報を得てないが、下の画像の‘ポール=アン=ベッサンの日曜日’とプラスα、もう1点はくるだろう。これでも大変なこと。とても楽しみ!