ローマ観光のハイライトはもちろんサン・ピエトロ大聖堂とシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロのフレスコ画!観光客が殺到する夏は中に入るのに長い待ち時間を辛抱しなければならない。前回ローマへ行ったのは2010年。それから10年近く経ったが、中国人はどんどん増えているだろうからローマもオーバーツーリズムが強まっているにちがいない。
はじめてヴァチカン博を訪問したときはらせん階段を登っていったことはよく覚えているが、絵画や古代ギリシャ、ローマ時代の彫刻が展示されている部屋をどのように通過して、ラファエロの間とシスティナ礼拝堂にたどりついたかまったく記憶にない。
ダ・ヴィンチ(1452~1519)やラファエロ(1483~1520)の絵にじっくり向き合ったのは回数を重ね博物館全体のレイアウトが頭に入るようになってからのこと。そしてこの2人以外の画家にも大きな感動をもらうようになった。
3点あるアンジェリコ(1395~1455)は‘聖母子像’の金地と装飾的な花柄に魅了される。聖母の視線にゾクゾクっとさせられるクリヴェッリ(1440~1501)の‘聖母子と4人の聖人’も収穫の一枚。
ヴァチカンにある絵画で最も心を和ませるくれたのはフォッリ(1438~1494)の‘音楽を奏でる天使’。このフレスコはもともとローマの古い教会の天井に描かれたものだが、改築の際、ヴァチカンにおさめられた。この愛らしい天使はその一枚で全部で14枚ある。ミュージアムショップでは3枚が葉書として販売されている。
ダ・ヴィンチの絵をみるときはいつも緊張する。‘聖ヒエロニムス’はほかの作品と較べると色が茶褐色なので地味な感じがするが、顔の皺の描き方をみると聖人の深い精神性を感じさせる。