ウェイデンの‘聖母と聖ヨハネと十字架のキリスト’(1450~60年)
ルーベンスとスネイデルスの‘縛られたプロメテウス’(1611年)
フィラデルフィア美は大きな美術館なので1時間という限られた時間で名作を楽しむためにはじっくりみる作品を絞る必要がある。今回は3年前見逃したものを第一優先にしてみてまわった。
古典絵画で狙っていたのは館のHPにでていたボス(1450~1516)の絵2点、TASCHEN本に載っている‘この人を見よ’は前回みたが、ほかに2点ありボスの後継者の作とされる‘キリストの嘲弄’に足がとまった。もうひとつもキリストを題材にした作品でボスに帰属とあった。今回はボスが3点、日本ではほとんど縁のないボスなので素直に嬉しい。
もう一点リストにあげていたボッテイチェリの小さな横長の絵をみたあと、体が自然に引き寄せられていったのが206室にでーんと飾られているウェイデン(1399~1464)の‘聖母と聖ヨハネと十字架のキリスト’、3年前この絵の前に立ったときは唖然としてみていた。こんなすばらしいウェイデンがフィラデルフィアにあったとは!以来、古典絵画が好きな人と話がはずむといつもこの絵のことを話題にする。
古典絵画で有名な絵がもう一点ある。それはルーベンス(1577~1640)がスネイデルスと合作した‘縛られたプロメテウス’、この絵は通常は2階に展示されているのだが、現在1階の印象派の作品が飾られているすぐ横で‘プロメテウス’をテーマにした特別展が行われており、ルーベンスの絵もほかの美術館から出品された作品と一緒に飾られている。
この特別展のおかげでルーベンスが参考にしたティツィアーノ(1490~1576)の‘ティテュオス’と再会し、ヨルダーンスのプロメテウスもみることができた。犬も歩けば棒に当たるとはこのこと。