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Channel: いづつやの文化記号
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ピカソの‘黄色い髪の女’と再会!

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Img_0008_2     ピカソの‘黄色い髪の女’(1931年)

Img_0006_2     ピカソの‘水差しと果物鉢’(1931年)

Img_0002_2     マルクの‘黄色い牝牛’(1911年)

Img_0007_2     カンディンスキーの‘小さな喜び’(1913年)

グッゲンハイムはMoMA同様、久しぶりに訪れるので期待の作品が多かった。でも、その大半は次回に繰り越し、必見リストに◎がついていたのはシーレ、モディリアーニ、ロスコ、リキテンスタイン、そしてステラ。

こうした作品に会えればこの美術館は気が楽になる。実質2回の鑑賞でもうOK?、これには理由がある。1991年池袋にあったセゾン美(現在はなし)で‘グッゲンハイム美展’が開催された。当時大変話題になった展覧会なので足を運ばれた方も多いのではなかろうか。

その出品作がすごいラインナップだったことはその2年後この美術館を訪問し手に入れた図録(英文)をみて理解した。ここに載っている作品の多くが日本にやって来ていた!特筆ものはカンディンスキー、傑作がずらずらと並んでおり、夢見気分でみたことを今でもよく覚えている。今回日本でみた作品が3点でていた。

ピカソの4点のうち‘黄色い髪の女’と‘水差しと果物鉢’を長いことみていた。何年か前Bunkamuraで展示された‘黄色い髪の女’はお気に入りの作品、ピカソは昔から対象が直線的で角々描かれたものは好みでなく、この絵のように丸みをおびた造形にだけ熱い視線を注いでいる。

セゾンでみた‘水差しと果物鉢’は強いインパクトを持った作品。太い黒線で縁どられた水差しやテーブルカバーと鮮やかな緑が強く印象づけられる。緑、黄色、紫、好きな色が全部でてくるので上機嫌。

マルク(1880~1916)に開花するきっかけになったのがセゾンで遭遇した‘牝牛’、牛の飛び跳ねる姿が様式化されており、これにより動物のもつ生命力が力強く表現されている。その絵以降、マルクを体験する機会が何度かあったが、これを超える作品にまだ出会ってない。

この美術館自慢のカンディンスキー(1866~1944)はまたいっぱいみたかったのだが、4点のみ。残念ながらお目当てのものは姿をみせてくれなかった。その一枚‘小さな喜び’は日本で公開された17点のなかにも入っていたが、今回の展示はこの絵のタイトルのように小さな喜びにとどまった。


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