ファン・エイクの‘宰相ニコロ・ロランの聖母子’(1435年 ルーヴル美)
ブリューゲルの‘子供の遊戯’(1560年 ウィーン美術史美)
昨年12月、人気の美術番組‘美の巨人たち’にブリューゲル(1525~1569)の‘子供の遊戯’が登場した。この絵をウイーンでみたのは12年前、だから、番組にでてきた遊びがひとつ々どこに描かれていたかは記憶がだいぶ薄くなっている。でも、みてて楽しかったことはしっかり覚えている。
そして、番組をみながら強く思った。この絵を含めてウイーン美術史美にあるブリューゲルコレクションが1点でも2点でもいいから日本にやって来てくれないかなと。ウイーン美術史美展は過去数回開かれベラスケスの‘’マルゲリータの肖像’などの名画が展示されたが、ブリューゲルはまったくダメ。
日本で公開されたブリューゲルの作品は5年前にみた版画を除くと2点のみ。‘干草の収穫’(プラハ国立美)と‘絞首台の上のカササギ’。もうひとつ‘イカロスの墜落’(ベルギー王立美)もやって来たが、この絵は今では?がついている。
ブリューゲルの作品を所蔵する美術館はどこもなかなか貸し出してくれないのはわかっているが、‘干草’と‘カササギ’の公開からもう20年近くたつ。日本の美術館には粘り強く交渉をしてもらって3点目4点目を是非実現してほしい。
ファン・エイク(1390~1441)とボス(1450~1516)もブリューゲと同じく、日本ではほとんどみる機会がない。2月にルーヴル美展がはじまるが目玉は日本人の好きなフェルメールの絵、フェルメールよりファン・エイクの‘宰相ニコロ・ロランの聖母子’やボスの‘愚者の船’のほうがずっとみたいのだが、こうした絵はハードルが高く交渉すらさせてもらえないのだろう。
ボスについてはグッドニュースがある。ケンスケさんの話だと秋に三菱一号館美で開催される‘プラド美展’(10/10~1/31)にボスの‘愚者の石の切除’が公開される。これまで日本でボスの絵が公開されたことはない。流石、三菱一号館美。ほかの美術館もボスやファン・エイクにもっとチャレンジしてくれるとこちらも元気がでる。