内外のTV局では美術や歴史を題材にした番組が数多く制作されている。そのため、わが家ではこれらの番組をみることが展覧会鑑賞同様大きな楽しみになっている。
番組表を入念にチェックしている番組はいろいろあるが、BS朝日で放送される‘BBC地球伝説’もそのひとつ。2年くらい前までは平日夜の7時から流れていたが、今は火曜の7~9時の2時間枠で一つのシリーズを連続で放送している。
昨年は11月に放送された‘古代エジプトの至宝’(2014年制作)が大変おもしろかった。番組の案内役は30代くらいの若い美術評論家、アラステア・スーク氏、2012年につくられた‘古代ローマの至宝’にも登場し、これが第2弾。
日本では古代エジプトの話となれば必ずでてくるのが吉村作治さん、この学者にエジプトのことはいっぱい教えてもらった。何度も古代エジプトをとりあげているのがTBSの‘ふしぎ発見’、だから、この番組が耳学問の情報源。
こうした日本で制作されるエジプトものは良くできているが、BBCの‘古代エジプトの至宝’で感心するのは日本の番組ではとりあげないものがいろいろでてくること。こういうエジプト物語があったのか!流石BBC目のつけどころが違うという感じ。
興味深くみたのはファイアンス製のウシャブティやガラスの魚の形をした容器を再現してみせるところ。これによってどんな材料が使われ、どうやってつくられるのかがよくわかるので古代エジプトの美術品がとても身近に感じられるようになる。
また、ルクソールにある墓の壁に刻まれた人物のレリーフにも目を奪われた。こんなすばらしい壁画の話は日本の番組ではお目にかかったことがない。
こういうシリーズは3弾まである。次が‘イスラム美術’とか‘ルネサンス’だったら嬉しいのだが。