ホイッスラーの‘ノクターン:ソレント’(1866年 ギルクリース美)
‘青と金色のハーモニー:ピーコックルーム’(1877年 フリーア美)
現在、横浜美で開催中の‘ホイッスラー展’は来年の3/1まで3か月間のロングラン興行。展示されている肖像画、風景画は予想を大きく上回る豪華なラインナップ。だから、もう一度出かけるかもしれない。
風景画‘ノクターン:ソレント’は‘バルパライソ’や‘ノクターン:青と金色’同様心にとても響いた作品、これほど静寂さを感じる海の光景はほかに体験したことがない。ノクターンのイメージと絵の雰囲気がまさにぴったり合っている。とにかくホイッスラーの風景画に200%魅せられた。
今回嬉しいオマケがついていた。それはホイッスラーの作品の横に飾られていた浮世絵版画。大英博のコレクション7点とヴィクトリアアンドアルバート博のもの2点。摺りの状態がとてもいいものなので目をかっと開いてみた。
視線が釘づけになるのが広重の‘名所江戸百景 京橋竹がし’に摺られた海と空の青。こんな深い青にお目にかかれるのは日本では数点しかない。
そしてサプライズの作品が最後に展示してあった。広重の‘牡丹に孔雀’、この絵は美術本でみたことがなく興奮した。ホイッスラーのパトロンが所蔵していたもので、後にV&A博に寄贈されたという。
ホイッスラーが‘ピーコックルーム’の室内装飾に孔雀を描くときこの絵を参考にしたらしい。フリーア美は昨年訪れこの部屋にも入ったので、この話は大変興味深い。