‘ボストン美浮世絵名品展 北斎’ 9/13~11/9 上野の森美
先週の10日にホイッスラー展など4か所を回ったが、今年の展覧会鑑賞はこれをもって終了、感想も書き上げたので今日からは今年一年の振り返りに入りたい。
例年だとすぐ‘お気に入り展覧会ベスト10’の検討をはじめその選択に悩まされるのだが、今年は新たな趣向として展覧会をみたあとミュージアムショップで手に入れた図録でとくに魅了されたものを3点選んでみた。
1年間にでかけた展覧会は全部で52回。ここ数年は月に一回のペースで出動し、4~5つの美術館をはしごする。だから、このくらいの数になる。図録は以前のように毎回購入しておらず、今年は30冊ほど。そのなかから選んだ‘お気に入り図録ベスト3’は次の通り(順位はつけない)。
★‘ヴァロットン’ (三菱一号館美)
★‘日本国宝展’ (東博)
★‘ボストン美浮世絵名品展 北斎’ (上野の森美)
本というものがとにかく好きで、いい本がそばにあると満ち足りた気分になる。だから、秀逸な図録が用意されていると展覧会の印象がより深くなると同時に美術館に対する好感度は一段と高まる。この3点はご機嫌な図録。
‘ヴァロットン’で感心するのは論考にでてくる作品の図版のすべてに色がついていること、たいていは白黒だからこういう図録にでくわすと心が浮き浮きしてくる。すばらしい!そして章のはじめの絵柄のデザインセンスがとてもいい。
ここにあげたのは3章 抑圧と嘘、この図録はパリ、アムステルダムで開かれたのと同じ絵柄を使い日本語に翻訳したもの、話題を呼んだ展覧会にふさわしい図録に仕上がっている。
‘日本国宝展’をみられてこの図録を購入された方が多分同じ思いをされているのではなかろうか、手にとったときの皮のような触感がなんともいい。この素材の選択は大ヒット!弁当箱のなかの料理も箱も豪華といった感じ。
ボストン美の浮世絵名品展の図録は過去2回ともgood jobだったから、今回の‘北斎’も楽しみにしていた。これで浮世絵の立派な図録が3冊揃った。