‘阿弥陀聖衆来迎図’(12世紀 和歌山 有志八幡講十八箇院)
遅い出動となった東博の‘日本国宝展’(12/7まで)、‘東山御物の美’同様お目当ての作品が出てくるのをじっと待っていた。長年追っかけていたものがうまい具合に後期にかたまってくれたので1回の訪問で済んだ。
30分くらいで入館できると思っていたが、これは甘かった。12時をすぎるとみんな腹が減ってくるためか退館す数が増えてきて当初の80分待ちが早まり60分でなかに入れた。作品が全部国宝というのはもうイベントのようなもの。ここにもあそこにも名品があるのでテンションは上がりっぱなし。
今回もっとも期待値が高かったのが‘阿弥陀聖衆来迎図’、ようやくみれたので嬉しくてたまらない。この世に別れを告げるときはこの絵のことを思い浮かべることにしているので、しっかり予約をとりつけてきた。大勢いる菩薩のなかでお気に入りは真ん中手前にいるふたりの右のほう。白くてぽっちゃりした顔をうっとりしてながめていた。
楽器を演奏している菩薩たちを一人々じっくりみるとそれぞれ個性があってすごく愛着を覚える。二人笑っている。どこにいるか?みてのお楽しみ。以前みた同じサイズの模写でも十分楽しめたが、本物を前にすると心の高まりはその数倍。まさに天にも昇る気分とはこのこと。
日曜美術館で解説してくれた‘山越阿弥陀図’、当時は親指のところから五色の糸が垂れ下がり極楽へと旅立つ死者の手に握りしめられていた。その穴のあとを単眼鏡で確認した。
仁和寺にある‘孔雀明王像’ともやっと対面が叶った。昨年京都へ行ったとき、展示されいたのでバスで乗り継いで途中までたどり着いたが新幹線の時間が迫ったためあきらめた。これほど早いリカバリーができるとは思ってもみなかった。本当によかった。
久しぶりにみた‘辟邪絵 天刑星’、胴体を食いちぎるド迫力の天刑星。この絵をみるたびにゴヤの‘わが子を喰らうサトゥルヌス’が頭をよぎる。


