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Clik here to view. ‘聖徳太子画像’(8世紀前半 宮内庁)
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Clik here to view. 国宝‘聖徳太子像’(11世紀 一乗寺)
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Clik here to view. 安田靫彦の‘聖徳太子像’(1920年頃 法隆寺)
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安田靫彦の‘太子孝養像’(1921年頃 法隆寺)
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Clik here to view. 堂本印象の‘太子降誕’(1947年 京都府堂本印象美)
聖徳太子(574~622)といわれてすぐむすびつくのは法隆寺、一万円
札、そして日本人が好きなフレーズ‘和を以て貴しとなす’。会社の同僚や友人
から飲み会に誘われたとき、‘今日は聖徳太子が少ないから長くは付き合えな
いよ’とかいってニコニコ顔を街に繰り出した。
法隆寺から明治11年(1878)に皇室に献上された太子ゆかりの名品‘聖徳太子画像’は日本最古の肖像画で、奈良時代8世紀前半に制作された。一万円札によってその偉い姿が目に焼きついているが、じっさいにお目にかかったのはたしか1回だけのような気がする。10年に一度開催される‘皇室名品展’で対面した。
一乗寺にある国宝‘聖徳太子像’は2007年、‘美麗 院政期の絵画’(奈良博)で運よく遭遇した。髪の形をみると過去に遡る時間がずいぶん長くなるが、古の日本の高貴な人物なので強い存在感がある。
明治以降に活躍した日本画家が描いた聖徳太子ですぐ出てくるのは安田靫彦(1884~1978)。2点とも線描の際立つすっきりした様式で重い気分にならず、すっと太子の向き合えるところがいい。生まれたばかりの太子を描いた堂本印象(1891~1975)の作品に愛着が湧く。白描と抑えた色彩によって表現された偉い人の誕生は聖人の空気が漂っている。