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Channel: いづつやの文化記号
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日本・中国の故事、歴史から生まれた傑作アート! 日本武尊

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Img_0001_20250406231401   岸田劉生の‘日本武尊’(1906年 東博)

Img_0003_20250406231401   安田靫彦の‘草薙の剣’(1973年 川崎市民ミュージアム)

Img_20250406231501   川端龍子の‘火生’(1921年 大田区龍子記念館)

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安田靫彦の‘居醒泉’(1928年)

古代神話のなかではもっとも知名度が高く人気のある日本武尊(やまとたけ
るのみこと)は、相撲好きの人には幕内の上位にあがってきた尊富士(たけ
るふじ 伊勢ケ浜部屋)が土俵に登場すると、思い浮かぶかもしれない。
つくづくいい四股名を親方(元横綱旭富士)はつけたなと思う。この力士が
番付をあげ昨年優勝したりして注目され出したのとわが家の宮崎旅行が重な
ったので、小さい頃から知っているヤマトタケルがぐっと近づいてきた。

洋画家、岸田劉生(1882~1911)はとてもカッコいいヤマトタケル
を描いている。前もふれたがモデルは劉生自身というが、このイケメンぶ
りはどうみても200%盛っている。所蔵するのは東博だが、何度も通ってい
るのに平常展でみたという実感がない。どうして展示しないのだろう?

ヤマトタケルを一番多く描いているのが歴史画で名が知れている安田靫彦
(1884~1978)。4点あり、これまで縁があったのは‘草薙の剣’、
‘吾妻はや’、‘居醒泉’。力強い英雄というイメージがピッタリなのが‘草薙の剣’。賊に火攻めにされたが、周囲の草を草薙の剣でなぎ払い火をつけ、この火の勢いで寄せてくる火を追いやる作戦にでる。これで賊を皆焼き殺した。川端龍子(1885~1966)の‘火生’も同じ場面だが、ヤマトタケルが不動明王をもとにして描かれているので、火攻めがどこかへいき、あの激しい‘赤不動’の仏画をみているよう。

‘居醒泉’はヤマトタケルが伊吹山の神を退治しようと意気込んで登ったが、山の神に激しい氷雨を浴びせられ生死のの堺をさまよい、泉の水で蘇生した場面が描かれている。このあたりからヤマトタケルの健康が急速に悪化し、大和への途上で亡くなる。鈴鹿で詠んだ歌は名歌のひとつ、‘倭は 国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる 倭し 美し’


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