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Channel: いづつやの文化記号
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妓楼主は腐れ外道の忘八!

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Img_20250302232001    酒井抱一の‘大文字屋市兵衛像‘(18∼19世紀 板橋区美)

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NHKの大河ドラマ‘べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~’は今日の放送が第9回。
全部で40数回だとすると4分の一くらいのところにきた。これからどうい
う話がつながっていくのか勝手に予想しているが、先月中旬に再放送された
BSの‘英雄たちの選択 蔦屋重三郎 ~大江戸エンタメ革命~’(1/1放送)
をみたので、版元が並ぶ日本橋通町での‘耕書堂’開店、狂歌仲間との交流、喜多川歌麿の美人大首絵、写楽の役者絵の発売、、、と展開していくのだろう。

これまでの回の収穫は吉原に関する情報が相当増え、平賀源内のイメージが
大枠でまとまり芳賀徹氏の名著‘平賀源内’が手に入ったこと。蔦重関連の本
は2冊新たに購入した。
☆鈴木俊幸著‘蔦重版の世界 江戸庶民は何に熱狂したか’(2025年 NHK出版)
☆安藤優一郎著‘蔦屋重三郎と田沼時代の謎’(2024年 PHP新書)

吉原で働く遊女はどんなふうに一日をすごしていたのか、妓楼や引手茶屋の主の商売のやり方がだんだんわかってきたが、ときどきその言葉何?というのに遭遇する。たとえば、‘忘八’、7話で蔦重は妓楼主を前にしてスゴイことをいう‘それが女郎で飯食ってる、腐れ外道の忘八の、たったひとつの心意気なんじゃねえっすか’。妓楼主は‘忘八’?SNSで上手なライターが解説してくれたのでわかった。仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌といった八つの徳目を忘れ女郎たちをこき使い、遊客から金をむしり取る女郎屋の主たちを‘忘八’と呼んでいるのである。

昨年、東芸大美で開催された‘大吉原展’に酒井抱一(1761~1828)の‘大文字屋市兵衛像’が出品された。ほかの絵師が描いたモノクロの原画を抱一は絹本に写し彩色している。この人物は吉原の妓楼・大文字屋の初代主人。‘べらぼう’で俳優の伊藤淳史が演じているのは初代の養子となった二代目市兵衛(1754~1828)。この二代目は‘忘八’の顔ともうひとつ狂歌愛好家の顔をもっていた。初代のあだ名の‘かぼちゃ’(頭がかぼちゃに似ているので)を引き継いで狂歌名を‘加保茶元成’とした。そして、廓内別宅の逍遥楼で狂歌会を主催するなど吉原連の総帥として活躍した。

今後の話として天明狂歌の三大家の大田南畝(狂歌名四方赤良)が登場し、狂歌仲間の蔦重(蔦唐丸)らと吉原で交流する場面がでてくるかもしれないが、そのとき大文字屋市兵衛も一緒にこの連に加わるのだろうが、忘八イメージがぴったりくる伊藤淳史がどんな顔で狂歌を披露して座を盛り上げるのか?  


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