ここ数年映画をDVDで楽しんでいるが、観終わったあと映画に関連する本
を読むのがルーティンのようになっている。その本はすぐ本屋に足を運び
購入したものもあれば、書庫に並んでいるがまだ読んでいないものもある。
本とにつきあいが長くなると買い込んだ本を置く場所の確保に多くのエネル
ギーを割くことになる。本のコレクションには関心がないため、適時処分し
ているので書斎が本の山に囲まれているということはなく、関心のある本は
グルーピングされて上手くおさまっており(これを均衡した!と呼んでいる)
、家のどこにあるかはすぐわかるようになっている。
ここ2週間くらい聖書関連の映画(‘天地創造’や‘偉大な生涯の物語’など)を
ホームシアターで連続して上映したので、手に取る本もそれにつれて10冊
くらいになった。その仕上げに読んだのが西洋美術史家、岡田温司氏
(1954~)の本。岡田氏は京大教授だった方だが、分厚い本‘カラヴァッ
ジョ鑑’(岡田氏編 2001年 人文書院)でカラヴァッジョのことをいろ
いろ教えてもらった。
この本が縁でその後上梓されたものは注目しており、いくつか買いそろえた。
でも、読みたい本が美術本から行動経済学、宇宙論や現代物理学、進化論、
脳科学などへ移っていったので、ここに紹介する本は積ん読になっていた
(‘マグダラのマリア’を除いて)。
☆‘アダムとイヴ 語り継がれる「中心の神話」’(2012年)
☆‘処女懐胎 描かれた「奇跡」と「聖家族」’ (2007年)
☆‘キリストの身体 血と肉と愛の傷’ (2009年)
☆‘マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女’(2005年)
☆‘黙示録-イメージの源泉’ (2014年)
岡田氏の本はカラヴァッジョの論考でわかっているが、ちょっと難しく重い
テーマなのに読んでるとイメージができてよく頭に入り、腹にストンと落ちる。
しかも事例が豊富。中世からルネサンス、そして現代美術の絵画、彫刻、映画
にまで話が及ぶ。だから、ついのめり込んで読んでしまう。
西洋美術の研究では岡田氏が今日本ではトップではないかと思う。興味ある方
は是非!