池大雅の‘夏雲霊峰図屏風’(1772~77年 八雲本陣記念財団)
今年の2月、出光美で非常に嬉しい特別展があった。それは出光も数多く所蔵している池大雅(1723~1776)の回顧展。6年前にも京博で大規模な回顧展にも遭遇したから、まだお目にかかってないプラスαが何点出品されるか楽しみにしていたが、やはりここはブランド美術館。90年ぶりに展示されるという六曲一双の‘餘杭幽勝図屏風’に遭遇した。画家が残した作品は奥が深く、美術本に載っていない作品がコレクターや限られた美術愛好家の目を楽しませているのである。
今、追っかけリストに載せている大雅で惹かれているのは島根県の八雲本陣記念財団が所蔵する‘夏雲霊峰図屏風’と大雅40歳のときに描かれた‘富士白糸滝図’。しばしば旅にでていい風景画をたくさん残しているが、富士山には38歳、39歳と2度登っている。日本名所十二景図のシリーズで描かれた‘宮島図・松島図’では写実は追及されてなく、対象を大胆にデフォルメし巧みな構図で表現している。
与謝蕪村(1716~1783)は2度大きな回顧展を体験したので、主要作品の多くは目になかに入った。当面のターゲットは京都に集中している。その一つが銀閣寺の方丈にある襖絵‘棕櫚叭々鳥’。でも、一般の観光客に公開されることがあるのかまだ確認してない。京都旅行はこれから活発におこなう予定だから、展示情報はつかんでおくつもり。妙法寺にある‘蘇鉄図屏風’でも同じ確認作業が必要になる。
‘四季山水図’は‘夏’と‘冬’は個人コレクターのもとにあり、‘春’と‘秋’(ともに重文)は文化庁の所蔵となっている。MIHO MUSEUMで開催された大回顧展(2008年)ででてくることを期待していたが、願いは叶わなかった。諦めず気長に待つほかない。京都の角屋保存会に蕪村の襖絵が数点あり関心を寄せているが、こういう場所に入れるかは見当がつかない。