円山応挙(1733~1795)は若冲同様これまで体験した回顧展が多く、
その図録は今4冊ある。回顧展に3回遭遇するのを理想としているので、
応挙は満足レベルでいうと‘済み’マークがつけられる。つきあいのはじまりは
2003年大阪市立美で開催された‘円山応挙 〈写生画〉創造への挑戦’。描
かれたモチーフのなかで目が点になるほど驚かされたのが孔雀の羽の精緻な
描写。三の丸尚蔵館や相国寺やファインバーグコレクションが所蔵するもの
に200%魅了された。残っているのは島根県の絲原記念館(広島にいたとき
訪問した)にある‘孔雀図’。いつも展示されていることはないだろうから、
展示情報をつかみ出かけてみたい。
応挙の描く美人画は‘楚蓮香図’などに惹かれているが、長年対面を願っている
‘楊貴妃図’が姿をみせてくれない。応挙50歳のときいわば最盛期の作品だが、
個人蔵なのでお目にかかれるチャンスはほとんどないかもしれない。応挙に出
会い画風が一変した呉春(1752~1811)にとてもいい絵がある。それ
は大阪の逸翁美にある‘白梅図屏風’。薄青を背景にして白梅図を描くという
発想がじつに斬新。一度みてみたいが、これまで展覧会でまったく縁がない。
逸翁美は足を運んだことがあるので、HPで展示計画をチェックし京都旅行を
したとき、再訪することを考えている。
昨年11月、‘日曜美術館’で長沢蘆雪(1754~1799)にスポット当て
ていた。大阪の中之島美で開かれた回顧展に行けなかったので、番組に登場す
る作品を息を呑んでみていた。もっとも注目したのは52年ぶりにみつかった
という‘大黒天図’。これは京都の福田美におさまったから、今後鑑賞できる機会
は十分ある。それを狙っている。
My芦雪物語で記憶に強く残っているのは金閣寺で運よくみれた六曲一双の
‘白象唐子図屏風’。今から20年前のこと。白象と大勢の子どもが登場する
屏風はほかにもある。巨象を横からとらえた‘白象唐子遊戯図’。これはまだ
回顧展にでてない。いつかお目にかかりたい。そして、2011年、MIHO
MUSEUMの長沢蘆雪展で展示替えのため見逃した‘童子・雀・猫図’のリカバ
リーを強く願っている。