‘肱掛椅子のシュミーズの女’(1913年)
‘アルジェの女たち’(1955年)
‘パイプをもつ少年’(1905年 ジョン・ヘイ・ホイットニー・コレクション)
近現代絵画におけるスター画家の回顧展に足を運んで手に入れた図録で数が
多いのはモネ(1840~1926)、ゴッホ(1853~1890)、
ピカソ(1881~1973)。この図録をベースにしてダブりを排し、ほ
かの美術本などでみつけた作品を加えて再編集したMy‘お気に入り図録’が
着々と完成しつつある。だから、まだ縁がないがとても気になる作品は絞り
込まれており、すぐピックアップできる。
マティスの追っかけ画一番が切り紙絵の‘王の悲しみ’(ポンピドゥー)なら、
ピカソの最愛の絵はNYのガンツ・コレクションが所蔵する‘夢’。2013年
の頃、TVのバラエティ番組で高額落札絵画のベスト5が話題になり、この
絵が153億円で落札されたことを知った(当時2位)。ときどき図版で会
いうっとりしているが、実際に本物をみることができるのだろうか。専門家
やコレクターの限られた人しか‘最高の瞬間’を味わえない?
‘肱掛椅子のシュミーズの女’ははじめて目にしてからずいぶん時が流れたが、
これも展覧会ではまったく縁がない。現在、一体誰がもっているのか?
手元の美術本ではガンツ・コレクションとなっているが、TVの美術番組で
取り上げられたときは個人蔵とされていた。TVの情報のほうが新しいが、
個人=ガンツなのか、それともガンツから別のコレクターに移ったのかは
判然としない。もし所有者が変わってなければ、ガンツには‘夢’だけでなく
これもおさまっている。なんともすごいコレクターである。
2015年5月にピカソが1955年にドラクロアの絵をもとにして描い
た‘アルジェの女たち’に215億円という競売史上最高額の値がついたことが
報じられた。ピカソにはベラスケスの‘ラス・メニ―ナス’もあるが好みはこち
らのほう。展覧会でみれたら嬉しいのだが、果たして?キュビスムの技法で描かれてない人物画で狙っているのはNYにある‘パイプをもつ少年’とバーゼル美蔵の‘座るアルルカン’。