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Clik here to view. ‘チェッーをする人々‘(1844年 アドルフォ・ハウザー・コレクション)
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Clik here to view. ‘麦をふるう女’(1855年 ナント美)
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Clik here to view. ‘ハンモック’(1844年 オスカー・ラインハルト・コレクション)
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Clik here to view. ‘ボート遊び’(1865年 村内美)
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Clik here to view. ‘レマン湖の日没’(1876年頃 サン=ギャラン美)
画家との距離は美術館で回顧展に巡り合うと一気に縮まるが、その画家の物
語を詳細に記述してくれる美術本を読むとかなり思い入れが深くなる。
クールベ(1819~1879)は岩波書店の‘世界の美術’シリーズに入っ
ているクールベ本(2004年)により画業全般についての理解が進んだ。
さらに、幸運だったのは2008年の1月パリへ行ったとき、グラン・パレ
で開かれていた大回顧展に遭遇したこと。大混雑のため2時間も並んだが、
この想定外の鑑賞は一生の思い出である。
ここではすぐ近くのオルセーが所蔵する代表作‘オルナンの埋葬、歴史
画’や‘画家のアトリエ’をはじめとする主要作品が世界中の美術館から集結し
ていた。そのため、岩波本に載っている作品には数多く‘済みマーク’がつい
た。こういうことがおこるとクールベはコンプリートに一歩も二歩も近づき
たくなる。一番のターゲットにしている‘チェッカーをする人々’は二人の笑顔
がじつにいい。遊びを心底楽しんでいるのがストレートに伝わってくる。
人々の日常の生活が生感覚でとらえられた‘麦をふるう女’、‘ハンモック’は
画面に動きがあり吸い込まれていく。クールベの風俗画は仕事や休息の一コマに時間の流れを感じさせるが並みの画家とは違うところ。日本の村内美蔵の‘ボート遊び’は今もここにあるのだろうか、ひょっとすると大回顧展に出品された‘樫の木’同様、クールベの故郷オルナンにあるクールベ美に移った?
クールベは人物画、静物画、風景画、いずれも高いレベルで作品を完成させる。風景画ではジュネーブに住んでいたとき出かけたシオン城の絵とパリでお目にかかれたが、亡くなる3年くらい前に描かれた‘レマン湖の日没’に大変魅せられている。果たして、出会えるだろうか。