海外の美術館で開催される展覧会をみるのが目的で申し込んだ団体旅行ツア
ーがいくつかある。たとえば、2010年ローマであった‘カラヴァッジョ展’、
2015年ワシントン・フリーア美の‘宗達展’、2016年マドリードのプラ
ドで開かれた‘ボス展’&‘ラ・トゥール展’。これらは事前に回顧展の情報が入
り、前のめりで出かけたケース。これとは反対に情報がキャッチできず、あ
とから残念な思いがしたものもある。そのひとつが2010年、スイス・
バーゼルにあるバイエラー財団美で行われた‘アンリ・ルソー展’。
人気がどんどん上がっていくルソー(1844~1910)の回顧展にどの
絵が結集したかは詳細には知らないが、この没後100年の記念展を主催した
バイエラー財団美が所蔵する‘飢えたライオン’が目玉作品だったことはすぐ察
しがつく。回顧展は見逃したが、スイス美術館巡りが実現したときはバーゼル
を訪問することは決めているので、対面が叶うだろう。そして、バーゼル美に
ある同じくジャングル画‘豹に襲われる黒人’やチューリヒ美蔵の初期の作品‘森
の散歩’も楽しめそう。
アメリカの美術館を団体ツアーに参加して本格的にまわるようになったのは
2008年から。このとき念願のシカゴ美は名所観光のコースに入っていたの
で、わくわくしながら入館しスーラの代表作‘グランド・ジャット島の日曜日
の午後’を天にも昇るような気持でみた。ほかにも必見名画がメモ帳にビッ
シリ書き込まれていたが、ルソーの‘滝’はどういうわけか飾られてなかった。
これにはガックリ。どかの美術館が久しぶりの‘’シカゴ美展‘を企画してくれ、
これを選んでくれたら言うことないが。果たして?
アメリカは西海岸に縁がなく、LAやサンフランシスコの美術館の訪問が果た
せてない。アバウトな構想ではパサディナのノートン・サイモン財団蔵の‘異国
風景’への関心も高い。日本人コレクターがもっている‘猿のいる熱帯の森’はす
でに鑑賞しているので、同じように猿の姿が印象深いこの絵もなんとか目に中
に入れたい。