今年、第一次世界大戦ならびに第二次世界大戦を題材にした戦争映画は全部
で11本みたが、そのなかでとくに心を揺すぶられたのが次の3本。
☆‘U・ボート’(西ドイツ 1981年 208分)
☆‘ナバロンの要塞’(イギリス・アメリカ 1961年 157分)
☆‘大いなる幻影’(フランス 1937年 113分)
ブックオフへ定期的に足を運びたくさんの映画をチェックしていると、映画
のタイトルがどうもこびりつく作品がある。でも、世の中に大勢いる映画ファ
ンによる評価に関する情報がない場合はそれを購入するかどうかはそのとき
の気分次第できまる。果たして、いい選択だったかは半分々といったところ。
ここに挙げた3本は記憶に長く残るいい映画だった。
第二次大戦中の1941年の秋、ナチス・ドイツの占領下にあったフランス
大西洋岸のラ・ロシェル軍港(地図を参照方)から1隻のUボートが出航す
る。任務は大西洋を航行する連合国護送船団への攻撃だった。3時間以上も
ある長い映画の大半のシーンが潜水艦の中のウナギの寝床みたいな細長い圧
迫された密室。だから、閉所恐怖症の人には無理かもしれない。敵の護送船
団を沈没させるが、駆逐艦から発射された魚雷が命中し、乗組員たちの極限
の恐怖が続く。絶望的な状況を冷静沈着な艦長の的確な判断と指示と部下た
ちのがんばりでなんとか乗り越え、Uボートは奇跡的に浮上していく。この
ハラハラドキドキ感が半端でない。こんないい脚本はそうはない。いい戦争
映画をみた。
グレゴリー・ペックやデヴィッド・ニーブン、アンソニー・クインらが出演
している‘ナバロンの要塞’は以前観てノートに二重丸をつけていた映画なの
に、あらすじはまったく覚えていなかった。エーゲ海はドイツ軍の制圧下に
あり、ナバロン島は強力な大砲2門によって難攻不落の要塞と化していた。
この大砲を爆破する任務をまかされたのがグレゴリー・ペック扮する大尉を
リーダーとする精鋭部隊。最後に大砲が大爆発するのでスカッとする。
‘大いなる幻影’は興味津々でみたが、おもしろかった。1937年につくら
れたモノクロ映画だが、それはまったく気にならない。ジャン・ギャバンの
若い頃の映画ははじめてみた。第一次世界大戦でのフランスとドイツの戦い
を背景にドイツ軍捕虜となったフランス軍人たちの物語。この映画でもお決
まりの脱走作戦がひそかに進行する。スティーブ・マックイーンが主演した
‘大脱走’はこの映画が原点だったのではと直感した。