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Clik here to view. ‘伊賀耳付水指 銘 破袋’(重文 桃山~江戸・17世紀 五島美)
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Clik here to view. ‘伊賀耳付水指’(17世紀)
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Clik here to view. ‘伊賀耳付花生 銘 聖’(17世紀)
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Clik here to view. ‘伊賀花生 銘 羅生門’(17世紀)
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Clik here to view. ‘伊賀擂座瓢形水指’(17世紀 畠山記念館)
やきもの展ならここへ出かければ間違いなしという美術館は根津美と五島美。
その五島美で現在‘古伊賀 破格のやきもの’(10/21~12/3)が行われ
ている。やきもの好きなら五島美にある‘伊賀耳付水指 銘 破袋’が古伊賀の
名品として目に焼き付いているかもしれない。これを所蔵しているからこそ、
きっといい花生や水指がどっと集結しているだろうと期待する。果たして、
予想通り個性的な形や魅力のビードロ釉が心を揺すぶる作品が揃っていた。
展示室に入ってすぐ足がとまる花生があった。‘銘 聖’。この花生は腰に手を当
てた人物のようにみえる。それは耳が手で上の四角がデフォルメした顔をイ
メージするから。愛嬌があるからゆるキャラのプロダクションに登録すれば
人気者になれることは請け合い。やきもので人間を思わせるものはこのほかに
みたことがない。
奥の展示スペースに圧倒的な存在感で迫ってくる‘銘 破袋’とどっしりとした胴
をもつ大振りの水指が並んで飾られていた。まさに破格の水指の共演という感
じ。胴がぷくっと膨れた水指のほうは鮮やかな緑色の幅広ビードロ釉に目が惹
きつけられる。2014年、松屋銀座であった‘古田織部展’で遭遇し度肝を抜
かれたが、再会できるとは思ってもみなかった。すばらしい!
‘花生 銘 羅生門’も強いインパクトをもっている。口部が朝顔のように広がり、胴を歪めた筒形がじつに力強い。そして、厚く掛かったビードロ釉と褐色の火色の深みのある融合が心をとらえて離さない。久しぶりにお目にかかった畠山記念館蔵の‘擂座瓢形水指’の前にも長くいた。この瓢形をみていると正月に飾る鏡餅を連想する。