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Channel: いづつやの文化記号
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東博の‘東福寺展’(3回目)!

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  吉山明兆の‘五百羅漢図 第40号’(重文 1386年 東福寺)

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   ‘五百羅漢図 第45号’(部分)

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  吉山明兆の‘白衣観音図’(重文 15世紀 東福寺)

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  吉山明兆の‘寒山・拾得図’(15世紀 東福寺)

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  ‘東福寺伽藍図’(重文 1505年 東福寺)

吉山明兆が描いた‘五百羅漢図’の16幅(第31号~45号、47号、ただし
47号は狩野孝信の模写)をみるため、また東博に足を運んだ。例によって
漫画チックなセリフの入ったイラストのある号の前ではじっくりながめ、納
得したところで次の場面へ蟹の横ばいで移動する。40号は羅漢たちが太鼓
を叩いて案内をする小僧さんに従って浴室に入るところ。45号は9人の
羅漢が雲に乗って降りてくる場面だが、もう一人はめでたく羅漢に加わった
東福寺の開山円爾。

今回出動した目的は五百羅漢図と‘東福寺伽藍図’(4/11~5/7)をみるた
め。これまで寺院展では建仁寺や南禅寺などをみてきたが、こうした伽藍
全体を俯瞰してみせてくれる絵は一枚もなかった。横に広くのびる大きな画
面には洛中洛外図風の人々の動きがみえ、東福寺の様子がよく描き込まれて
いる。室町のころに迷い込んだよう。

でかけるとき、出品リストをバッグにいれるのを忘れたのでこのタイミング
でどの作品が飾られているのか情報が消えている。だから、明兆の大作‘白衣
観音’の前に立ったときは驚いた。図録でこの絵はインプットされているが、
2回もでかけたのでてっきり鑑賞済みと思っていた。でも、だんだん、これ
は‘達磨、蝦蟇、鉄拐図’と入れ替わったものとわかってきた。岩窟の中央に白
衣観音がいて、その下では龍と善財童子が左右に描かれいる。見逃さなくて
良かった。展示は4/11~5/7。

同じことは‘寒山拾得’にもいえる。これはたしか前回みていないと思うが、
図録に載った記憶がなかったので、思わず目をかっと開いてみた。頬を丸く
して満面の笑みを浮かべる二人をみていると、ついこちらも肩の力がぬけて
挨拶をしたくなる。これまで同じモチーフをみたなかで岩に腰かけている
寒山拾得はお目にかかったことがない。こんなのどかで優しい雰囲気の一枚
があったとは。記憶に長くとどまるかもしれない。


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