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国宝 ‘紅色地龍宝珠瑞雲模様意衣裳’(18~19世紀 那覇市歴博)
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Clik here to view. 国宝 ‘白地流水に菖蒲蝶燕模様衣裳’(18~19世紀 那覇市歴博)
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‘薩摩切子 紅色三段重’(19世紀中頃 尚古集成館)
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Clik here to view. ‘薩摩切子 紅色被皿’(19世紀中頃 サントリー美)
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Clik here to view. ‘薩摩切子 藍色被栓付瓶’(19世紀中頃 コーニング・ガラス美)
国内に数多くある観光名所で有名なところはだいたい行ったが、どういうわ
けか沖縄にはまだ縁がない。一度みてみたかった首里城は数年前火災があり、
今は修復中のためまた足が遠のいた。もう何年もお世話になっている歯医者
さんはスキューバダイビングででかける沖縄の海のすばらしさを熱く語られ
る。海がよさそうだが、それよりもっと関心の高いのは琉球王国時代に発達
した型染紅型(びんがた)。そのため、2006年国宝に指定された王家に伝わる紅型の名品を展示する那覇市歴博をいつか訪問しようというのは心の片隅にあった。
でも、運がいいことにサントリー美で‘紅型展’(2012年)と‘琉球 美の
宝庫’(2018年)が開催され、長年の思いの丈が叶った。2012年のと
きには出品されなかった‘紅色地龍宝珠瑞雲模様衣裳’が‘琉球展’に登場した。
見栄えのする龍や吉祥文様がたくさん豪華に描かれている。これが最高傑作
というのを知っていたから、まさに紅型で‘最高の瞬間!‘だった。先行してみ
て国宝10点の中では‘白地流水に菖蒲蝶燕模様衣裳’に大変魅了されている。
とくにいいのが流水の立体感、まるで琳派の絵を楽しむ感覚。
広島で仕事をしているとき、クルマで九州を大移動した。鹿児島市で期待し
ていたのがヨーロッパの文物に親しんでいた28代薩摩藩主島津斉彬の命に
よりつくられた薩摩切子。産業の発展を目指し薩摩藩が築いた工場の跡地は
現在、尚古集成館となっており、ここに‘薩摩切子 紅色三段重‘などの名品が
並んでいた。赤や青の鮮やかな色彩とぼかしによって比類のないガラス工芸
品となったが、切子の生産は10数年で途絶えた。
ここを訪問したとき手に入れた小冊子に薩摩切子に関することはいろいろでていた。確認されているのは130点くらいらしい。もっとも多く保有しているのは尚古集成館で32点、次に多いのがサントリー美で24点。色別にみると紅が55%で藍が35%。薩摩切子にいっぺんに嵌ったが、鑑賞の機会は今回だけだろうなと思っていた。ところが、サントリーが2009年に‘まぼろしの薩摩切子’を開催し、名品をどどっと展示してくれた。しかも、国内の美術館や個人だけでなく、アメリカのコーニング・ガラス美が所蔵する絶品の‘藍色被栓付瓶’も里帰りした。この特別展は一生忘れられない。