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Channel: いづつやの文化記号
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美術で‘最高の瞬間‘! 鎌倉大仏 臼杵摩崖仏

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  国宝 ‘阿弥陀如来坐像’(13世紀 高徳院)

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  国宝 ‘臼杵摩崖仏’(平安時代後期~鎌倉時代)

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  ‘女神坐像’(重文 9世紀 松尾大社)

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  ‘男神坐像’(重文 9世紀 松尾大社)

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  国宝 快慶の‘善財童子立像’(1203~1220年 安倍文殊院)

奈良の大仏が世界最大級の木造建造物である東大寺大仏殿(金堂)におさま
っているのに対し、鎌倉大仏(高徳院)はパブリックアートのように露坐の
大仏として世に知られている。もとはあった大仏殿は1498年の大地震と
津波によって損壊した。でも、再建はならず今の形になった。この巨大な
阿弥陀像の高さは12mで奈良の廬舎那仏より3m低い。以前、鎌倉の棟方
志功美術館や神奈川県近美葉山館へよく通っていたので、途中でみるこの
大仏は親しみが湧く。また観光客がもどってきたら大混雑するだろう。

大分県の臼杵市にある‘臼杵摩崖仏’に出会ったのは生涯の思い出である。
広島で仕事をしていたとき、フェリーで九州に渡りお目あての石仏をみる
ため臼杵へクルマを進めた。豊後地方に集中する石仏のなかで最大の規模を
誇る臼杵石仏は丘陵の斜面に彫りだされている。4つのグループに分かれて
いて、もっとも魅了されるのが‘古園石仏’。大日如来を中心に左右に如来、
菩薩、天部、明王が並んでいる。ぷくっとした丸顔の大日如来の姿にとても
愛着を覚える。

京都や奈良の寺院を訪問して仏像と数多く対面してきたが、神様の姿を彫刻
した神像に接する機会はほとんどない。だから、2013年東博で行われた
‘国宝大神社展’で遭遇した‘女神坐像’と‘男神坐像’(ともに松尾大社)には
新鮮な感動があった。とくに視線が集中した女神はなぜか頭の髪が異様に長
くボリューム満点。美形というわけでないが、心が温かそうで好感がも
てる。一方、男神は目が鋭く威圧的な表情のため、そばには寄れそうにない。

2014年の国宝展(東博)に大変ありがたい仏像が登場した。奈良の安倍
文殊院にあるお宝‘文殊菩薩および眷属’のうち‘善財童子’と‘仏陀波利’はやって
来てくれた。顔を横に向け合掌する善財童子の動きのある描写がじつにいい。
快慶はやはり天才!奈良にはなかなか行けないので大収穫だった。


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