ザオ・ウ―キーの‘07.06.85’(1985年 ア―ティゾン美)
マレーヴィチの‘スプレムス38番’(1916年 ルートヴィヒ美)
ピカソの‘緑色のマニキュアをつけたドラ・マール’(1936年 ベルクグリューン美)
残り5点は非具象作品を選んだが、出かけた展覧会は上から
☆‘ミロ展’(2/22~4/17 Bunkamura)
☆‘ア―ティゾン美の軌跡’(1/29~4/10 ア―ティゾン美)
☆‘ルートヴィヒ美展’(6/29~9/26 国立新美)
☆‘ゲルハルト・リヒター展’(6/7~10/2 東近美)
☆‘ピカソとその時代’(10/8~1/22 西洋美)
大規模なミロ展は2002年の世田谷美以来だったので、開幕が楽しみだっ
た。目玉の絵はマドリードのソフィア王妃芸術センターに展示してあるミロ
ではもっともいい‘絵画(カタツムリ、女、花、星)’、絵の前で小学生(5,
6年?)が熱心にみていたのでどれがカタツムリ、花、、かを一緒に想像
した。この子がミロファンになってくれると嬉しい。
新しくなったア―ティゾン美(旧ブリジストン美)のなかにようやく入った。所蔵コレクションがずらっと披露されていたので、テンションがどんどん上がっていく。思わず足がとまったのがザオ・ウ―キーの抽象画‘07.06.85’。以前のブリジストン美で回顧展に遭遇し、大変魅了されたのがこの作品。瞬間的に牧谿やターナーがこれをみたら裸足で逃げるだろうなと思った。
今年はドイツの美術館、ドイツのア―ティストが注目された年だった。2度目のルートヴィヒ美展なので前回お目にかかったウォーホルとモディリアーニには軽く会釈した。大きな収穫はマレーヴィチの‘スプレムス38番’、これまでみたマレーヴィチでは第一列に入る傑作である。東近美で開催されたリヒターの大回顧展は期待を大きく上回るものだった。とくに心にずしんときたのが2014年に描かれた‘ビルケナウ’、リヒターがホロコーストに向かいあったことをこの絵で知った。エポック的な鑑賞体験となった。10月末にみた‘ピカソとその時代’はドイツのコレクターがこれほどピカソを集めていたのか、と感心しながらみていた。お気に入りは‘緑色のマニキュアをしたドラ・マール’。キュビスムで描かれているのに写実的な肖像画のようにみえるのが不思議。