ラ・トゥールの‘女占い師’(1630年代 メトロポリタン美)
ベラスケスの‘卵を料理する老女と少年’(1618年 スコットランド国立美)
ヴァン・ドンゲンの‘ドウルイイー指揮官夫人の肖像’(1926年)
今年出かけた美術館でみた展覧会は全部で23回。新型コロナウイルスの感
染が長く続いているため、展覧会は開かれていてもリスクを避ける気持ちが
働き数を絞ってどうしてもみたいものだけに鑑賞のエネルギーを注ぐことになる。だから、以前のような‘展覧会ベスト10!’はやめて感動した作品を10点選んでみた。まず、西洋美術から。上から下の順で良かったというのではなく展覧会へ足を運んだ順番で並んでいる。
最初の5点が展示された特別展は
☆‘メトロポリタン美術館展’(2/9~5/30 国立新美)
☆‘スコットランド国立美 美の巨匠たち’(4/22~7/3 東京都美)
☆‘モディリアーニ展’(4/9~7/18 大阪中之島美)
☆‘ボテロ展’(4/29~7/3 Bunkamura)
☆‘キース・ヴァン・ドンゲン展’(7/9~9/25 パナソニック汐留美)
西洋美術関連で最も期待していた‘メトロポリタン美展’にめぐり合い、大好き
なラ・トゥールの代表作のひとつ‘女占い師’と再会できたのだからもう最高の
気分。しわくちゃ顔お婆ちゃんのリアルな表情をいつもまじまじとみてしまう。
そして、遠いスコットランド国立美からわざわざお出ましいただいたベラスケ
スの‘卵を料理する老女と少年’をみれたことも嬉しくてたまらない。これでベ
ラスケスのコンプリートに再度火がついた。大阪中之島美で開催された‘モディリアーニ展’はワールドクラスの回顧展だった。2度目のモデイ展だったのでプラスアルファを期待したが、果たして‘横たわる裸婦(ロロット)’にお目にかかれたのだからいうことなし。
6月、渋谷のBunkamuraでじつに愉快な絵に出会った。コロンビアの画家、
ボテロの‘コロンビアの聖母’。南米の画家がこんなボリューム感があっておも
しろい人物画を描いていたとは。流石、Bunkamura、拍手々である。NHKの
BSプレミアムで毎月放送されている‘体感!グレートネイチャー’でコロンビ
アの絶景が紹介されたとき、首都の広場にボテロの大きな彫刻が展示されて
いた。その画家の作品が実際に鑑賞できるとは思ってもみかなった。これ
だから美術館めぐりはやめられない。常日頃関心を寄せているヴァン・ドン
ゲンの回顧展を実現してくれたパナソニック汐留美にも感謝々。本物の夫人
と対面しているような気になる大作‘ドゥㇽイイー指揮官夫人の肖像’を息を呑
んでみていた。