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Channel: いづつやの文化記号
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美術で‘最高の瞬間’! 台北故宮博物院の神品

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   台北故宮博物院

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  ‘翠玉白菜’(清18~19世紀)

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  ‘雕象牙透花雲龍文套球’(清18~19世紀)

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  ‘藍地描金粉彩游魚文回転瓶’(乾隆1736~95年)

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  ‘画琺瑯蟠龍瓶’(雍正1723~35年)

美術館で開催される特別展のなかには何十年に一度というほどのスゴイ展覧
会がときどき登場する。2014年の6月から9月にかけて行われた‘台北
故宮博物院 神品至宝’もそのひとつ。目玉は2週間限定で披露された‘翠玉白
菜’。一度台北みて目が点になったあの玉でできた白菜がまたみれるとは。
ミューズに感謝々である。

硬い石材の翠玉にできた緑と白の色の違いをみて、腕のいい職人彫刻家
は白菜に仕上げようと思ったのだろう。緑のところを葉先にしてキリギリス
も一緒に彫り込む。そして、白の部分は葉の芯にする。神業的な技を駆使し
気が遠くなるような長い時間、一心に手ごわい玉を彫り続ける。こうして生
み出されたのが本物そっくりの白菜。これぞ究極の神品。

故宮博物院でやきものと同様に心がMAXに高揚したのは‘翠玉白菜’だが、
もうひとつ目を見張らされたものがある。それは象牙の彫り物‘雕象牙透花雲
龍文套球’。よくみると球体の中にまた球体があり、その奥にもまた球が、、
なんとこの象牙の球は17個の球でできているのである。超絶技巧により球
には透かし彫りも施されている。この象牙細工にはドイツから持ち込まれた
旋盤が使われた。精度のいい機械と高い手彫りの技が合わさって奇跡的な
象牙の珍品が誕生した。

現地でみたという実感がまったくなかった‘藍地描金粉彩游魚文回転瓶’を日本
で鑑賞できたのは幸運なことだった。これもおもしろい仕掛けになっている。
外側の瓶の首をまわすと金魚が描かれた内側の瓶が回る二重構造。乾隆帝も
ニヤニヤしながら楽しんだにちがいない。高級大人の玩具といったところ。
そして、黄色の地に豪華な牡丹が浮かび上がる‘画琺瑯蟠龍瓶’も心をとらえて
離さない。


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