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Channel: いづつやの文化記号
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フォルクヴァング美のコレクションを堪能!

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    ゴッホの‘刈り入れ’(1889年)

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    ノルデの‘百日草’(1925年)

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 レイセルベルへの‘ブリ―ニュ=シュル=メールの月光’(1900年)

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    ホドラーの‘ヴァイスホルン’(1915年)

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    フリードリヒの‘夕日の前に立つ女性’(1818年頃)

リニューアルされた西洋美は外観は変わらないのにすごく良くなったという
印象をうけるのは、入口の前の広場に設置してある‘考える人’などのロダン
の彫刻が美術館の外から歩きながら見えるようになったから。ニュー西洋美
を記念して現在、‘自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホ
からリヒターまで’(6/6~9/11)が行われている。西洋美の自慢の作品
がドドーンと飾られているだけでなく、ドイツ・エッセンにあるフォルク
ヴァング美からも名品の数々が加わり、大変豪華なラインナップになってい
る。平日なのに大学生など若い人たちが予想以上に多く館内は大賑わい
だった。

これまで何度もお目にかかっている西洋美の作品はさらさらとみて、鑑賞
エネルギーの大半はフォルクヴァングのコレクションに使った。1960年
に開館したこの美術館の作品は以前日本で披露されたのをみたことがある。
たしか1990年代だったと記憶している。ドイツの美術館だからノルデ、
キルヒナー、ベックマンなどドイツを代表する画家の硬いイメージが残る絵
が目に焼きついている。今回収穫だったのがノルデ(1867~1956)
の‘百日草’。目に飛び込んでくる強烈な赤、黄色、紫の花びらに思わず足が
とまる。

期待していたゴッホ(1853~1890)の‘刈り入れ’は精神病治療のため
入ったサン・レミの療養院の部屋から見た光景。ほぼ同じ構図で描かれた
3点のうち、まだ未見だったのがこの絵。ゴッホ美とクレラー=ミュ
ラー美でみたときの印象がうすれているので調度いい鑑賞機会になった。
2020年はロンドンのナショナルギャラリーの‘ひまわり’。昨年はイスラエ
ル博が所蔵する2点、そして今年も1点、ゴッホ狂いにとってはとてもいい
流れが続いている。

点描法により描かれたレイセルベルへ(1862~1926)の‘ブローニュ
=シュル=メールの月光’に惹きこまれた。同じ日にSONPO美でも‘ファン・デ
・フェルデ夫人と子どもたち’というとてもいい絵画に出会ったから、ご機嫌
である。そして、スイスの国民的画家、ホドラー(1853~1918)
の‘ヴァイスホルン’もいい気持でながめていた。この絵は2007年オルセー
で運よく遭遇したホドラー展でお目にかかった。再会できるとは思ってもみな
かった。ドイツロマン派のフリードリヒ(1774~1840)は関心の高い
画家だが、残念なことにまだ回顧展に縁がなく単発でみた作品は両手くらいに
とどまっている。だから、‘夕日の前に立つ女性’をみれたのは素直に嬉しい。
だが、予想に反して小さな絵(22×30cm)だったのでちょっと拍子抜け
。こうした絵のサイズについての戸惑いがときどきおこる。


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