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Channel: いづつやの文化記号
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東洋のダ・ヴィンチ 国友一貫斎!

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Img_20220214222601  国友一貫斎が製作した望遠鏡(2021年11月BS2コズミックフロントより)

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望遠鏡がある長浜城歴史博物館(滋賀県長浜市)

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鳥形の飛行機の設計図(2021年11月BS2コズミックフロントより)

BS2の木曜夜に放送されるサイエンス番組‘コズミックフロント’をもう5
年くらい熱心にみている。新型コロナウイルスの感染が収束せずここ2年
ずっと続いているため、番組スタッフがフリーに海外に出かけられないこ
とが影響してか以前のように新制作ものがどんどん登場することはなくな
ったが、最近は徐々にその数が増えてきている。今は1ヶ月に1回は最新の
宇宙の話が入ってくるようになった。

そのなかでとくに刺激を受けたのが昨年11月に放送された‘国友一貫斎物
語’。国友一貫斎(1778~1840)はかつて日本屈指の鉄砲産地であ
った国友村(現在、滋賀県長浜市国友町)の腕のいい鉄砲鍛冶。その名前
はインプットされてはいたが、詳しくは知らず鉄砲づくりの名人というだ
けの認識だった。それがこの番組によって大きく変わった。ただの鉄砲鍛
冶でなく空気銃や望遠鏡を自ら製作したり、鳥形の飛行機の設計図まで書
いていた。国友一貫斎は‘東洋のダ・ヴィンチ’ともいうべきすごい科学者だ
った。

長浜城歴史博物館に一貫斎が56歳のころ製作した望遠鏡(反射式)があ
る。驚かされるのはオランダ製よりも倍率が高く世界トップレベルの性能
だったこと。これを使って一貫斎は月のクレーターをはっきりとらえ、
土星の衛星のタイタンまで発見している。さらに太陽の黒点を1年以上に
わたって観察し、黒点の数や位置を記録している。黒点の観察により太陽
が自転していることを把握していた。

番組のなかにおもしろい話がでてきた。2020年3月、一貫斎の屋敷跡
から鳥形の飛行機の設計図がみつかった。これに基づき研究者グループが
10分の1の模型をつくり実際に飛ばしてみた。だが、垂直尾翼がないた
め飛行は上手くいかなかった。そこで、垂直尾翼をとりつけてみたら、
模型はすーっと安定して飛んでいった。世界ではじめて滑空飛行をしたの
はドイツのオットー・リリエンタ―ル(1848~1896)。これは
一貫斎が設計してから70年後のこと。もし、一貫斎が垂直尾翼に気づい
ていたら世界にその名が知られたかもしれない。


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