北京冬季オリンピックのスノーボード男子ハーフパイプで平野歩夢選手
(23歳)が3回目のランで最高難度の大技、トリプルコーク1440を見事
に決め、金メダルを獲得した。拍手々!前々回、前回が銀メダル、銀メダルで
今回は頂点の金メダル。絵に描いたようなオリンピック成功物語。平野選手は
やっぱり‘もっている’アスリートである。本当にすばらしい。
決勝は12人の選手が3回ランし、高い得点を出した者から順番が決まってい
く。2回とも転んでも最後のランで一番高い得点を出せばチャンピオンになれ
る。だから、選手はメダルをめざして難度の高い技に果敢に挑戦する。そのた
め、上手く着地できなかったりバランスを崩し転倒するリスクもつきまとう。
平野選手も1回目の最後の技のところで失敗した。この競技がおもしろいのは、
誰が金メダルをとるのか最後の最後までわからずはらはらドキドキしながら
短い時間のランをみるところ。トップレベルの技をもっている選手だって途中
で転倒することがあるから、メダルのかかる選手のときはとても緊張する。
平野選手が自分しかやらなかった‘トリプルコーク1440’を3回とも成功させ
て、2回目はほかの技も含めてトータルで完璧な出来映えだったと思われたが、
予想した得点が出ず2位どまり。これは想定外でガックリした。これでトップ
に立てないのなら3回目も同じ構成だから、オーストラリアの選手の得点は上
回れないと思った。でも、‘もっている’平野選手はそうはならない。3回目完璧
なゾーン状態に入り、96点をたたきだし逆転した。この勝利で‘平野歩夢の
時代’の幕が開いた。これからも期待したい。