大相撲初場所は千秋楽の結びの一番で関脇御嶽海が3連覇をめざす横綱照ノ
富士を寄り切りで下し優勝した。成績は13勝2敗、御嶽海の優勝はこれで
3度目。今日の勝ちで念願の大関昇進をぐっと手繰りよせた。拍手々!照ノ
富士が12日の明生との相撲で右足を痛めたので御嶽海のほうが有利とみ
ていたが、先場所まで7連敗していたからまわしをとられたら横綱のものか
なとも思っていた。でも、大一番のときの御嶽海はいい集中力をみせるとい
う強みを発揮し見事に横綱を寄り切った。13日の阿炎、昨日の宝富士に
続き今日も完璧に勝った。まさに大関相撲だった。
これで御嶽海は来場所は大関として土俵に上がる。やっと大関になったな、
という感じ。大関候補とずっと前からいわれていたのに、あとから上がって
きた貴景勝、朝乃山、正代に追い抜かされた。はたからみると悔しくないの
か、もっと気合を入れて大関を狙えよ!と叱咤激励したくなる。こういう
状態が何年も続き、気が付けば御嶽海はもう29歳。先場所、11勝と二桁
をあげたので大関獲りのラストチャンスに全力をあげなくてはいけない。
今場所も二桁勝ちを、来場所昇進を果たすというのが長く相撲をみている人
の予想ではなかった。これが、初日から9連勝と期待以上の充実ぶりで勝ち
進んだので、優勝すれば一気に大関という空気が生まれてきた。押し相撲の
北勝富士と阿武咲に破れたが、敗けの影響を引きずることなくいい相撲で
大事な一番を勝ってきた。この頑張りは立派。
御嶽海を追い抜いて大関になった3人は今どうなったか。貴景勝は体調の
維持管理ができず今場所また怪我で休場した。そして、朝乃山は心のコント
ロールが甘く、6場所出場停止を食らって土俵にあがれるのは名古屋場所か
ら。三段目からまたあがってくるのは1年以上かかる。今場所5勝9敗で敗
け越した正代は技の鍛錬を怠り、相撲を忘れたカナリア状態。今の稽古では
大関陥落はまちがいない。この状況を考えると新大関となる御嶽海は綱取り
レースでは先頭を走ることになりそう。照ノ富士は強い横綱だが、怪我の
リスクがあることが今場所の相撲で現実のものとなった。だから、御嶽海は
精神力を鍛え技に磨きをかければ、横綱に案外早く上がれるかもしれない。
期待したい。