スーラの‘サーカスの客寄せ’(1887~88年 メトロポリタン美)
スーラの‘ポール=アン=ベッサンの海景’(19世紀 ワシントンナショナルギャラリー美)
ロートレックの‘ボレロを踊るマルセル・ランデ’(1896年 ワシントンナショナルギャラリー)
ロートレックの‘ムーラン・ルージュのカドリール踊り’(1892年 ワシントンナショナルギャラリー)
2008年アメリカでの美術館巡りが本格的にスタートしたとき、最初に訪
問したのがシカゴ美。ここへ何としても足を運びたかったのは2つの絵をみ
たかったから。門外不出となっているスーラ(1859~1891)の‘グラ
ンド・ジャット島の日曜日の午後’とホッパーの‘夜更かしの人々’。運がいい
ことにホッパーの大回顧展が開かれていた。こんなビッグなオマケがついて
いるのだから天にも昇るような気持だった。これだから美術館通いは止めら
れない。
このスーラの点描画の代表作をはじめ、アメリカには画集に載っている主要
作品がたくさんある。NYでもMoMAには海景画の傑作が揃っているし、
メトロポリタンに行くと有名な‘サーカスの客寄せ’が目を楽しませてくれる。
そして、ワシントンのナショナルギャラリーは‘ノルマンディのポール=アン
=ベッサンの海景’と‘オンフルールの灯台’を所蔵している。
スーラの点描画はNY,ワシントンもそうだが海外旅行で人気のある都市に
集中しているので、団体旅行に参加しても結構な数お目にかかれる。たとえ
ば、ロンドンではナショナルギャラリー(1点)、テートモダン(1点)、
コートールド(2点)、パリのオルセー(2点)、オランダのクレラー=
ミュラーにも5点あるが、ここはアムステルダムから1時間半くらいで行け
るところだから自由行動でがんばれば行けるし、美術館見学が行程に組み
込まれているツアーもあるのでこれを選択するという手もある。
ドガと同様に、アメリカの美術館にでかけて収穫が多いと実感するのはロー
トレック(1864~1901)の油彩画。日本で体験するポスターがメイ
ンのロートレック展とは違って、どのブランド美でもいい油彩をみることが
できる。これは本当に嬉しい。メトロポリタンとナショナルギャラリーでは
ともに5点展示されていた。2013年のときようやくお目にかかれた
‘シルぺリック劇場でボレロを踊るマルセル・ランデ’と‘ムーラン・ルージュ
のカドリール踊り’が忘れられない。残念なのがまだ姿をみせてくれないメト
ロポリタン蔵の‘ソファ’。三度もふられると滅入る。