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ホガースの‘カレーの門’(1748年 テート美)
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ホガースの‘ストロード家の人々’(1738年 テート美)
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ホガースの‘ホガースの使用人の頭部’(1755年 テート美)
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スタッブズの‘ホイッスルジャケット’(1762年 ナショナルギャラリー)
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スタッブズの‘馬に食らいつくライオン’(1769年 テート美)
社会風刺画家というとフランスのドーミエをすぐ思い出すが、お隣のイギリ
スにも政治家や貴族階級の道徳観の低さなどを痛烈に風刺して庶民から拍手
喝采を浴びた画家がいた。ドーミエの100年くらい前に活躍したウィリア
ム・ホガース(1697~1764)。代表作の‘カレーの門’が大変おもし
ろい。
この絵はホガースのフランスに対する復讐。フランスのカレーの港にやって
来たホガースはスケッチをしていたら警察に逮捕されてしまった。容疑はこ
の絵の後ろに描かれているフランス軍の要塞を画家を装い調べていたという
スパイ行為。中国や北朝鮮で捕まる外国人の話と同じ。何とか事情を説明し
て許してもらったが、ホガースの怒りはおさまらない。絵で仕返しをした。
カレーの門をバックにやせ細ったフランス人哨兵と太った修道士がイングラ
ンド名物の美味しいローストビーフをみている。ローストビーフで自国を
自慢し、フランスを揶揄しているのである。
‘ストロード家の人々’と‘ホガースの使用人の六つの頭部’はホガースの名を世
に知らしめた団らん画(格式ばらない集団肖像画)の作品。ほかにみたこと
のない肖像画が使用人を描いたもの。自分の生活を支えてくれた使用人を
個性的に生き生きと描いている。ホガースのやさしい心根がうかがえる。
彼は晩年親しい人々の肖像画にかこまれて過ごしたいと願い、この絵も死の
際まで手元においていた。
ジョージ・スタッブズ(1724~1806)は‘馬の画家’として強く記憶さ
れている。日本画でも馬はよく登場するが、‘ホイッスルジャケット’のような
英雄のようにうつる馬の絵というのも感動する。この馬はアラブの種馬だが
、後ろ脚で立ち前脚を内側に曲げるポーズは高等馬術の難しいポーズ。背景
を描かないで馬の美しさを際立たせるのがスタッブズ流。一方、テートにあ
る‘馬に食らいつくライオン’は体をよじる白馬の悲痛な叫びが聞こえてくる
壮絶な動物画。