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Channel: いづつやの文化記号
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待望の‘イサム・ノグチ展’!

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Img_20210604223901      ‘ヴォイド’(1971年 和歌山県近美)

Img_0001_20210604223901         ‘あかり’(1969年)

Img_0002_20210604223901      ‘無題1987年’(1987年 イサム・ノグチ財団・庭園美)

Img_0004_20210604223901         ‘ねじれた柱’(1982~84年 庭園美)

Img_0003_20210604223901         ‘カエリ’(1984年) 

新橋でクールベをみたあと大きな期待を寄せていた‘イサム・ノグチ 発見の道’
(4/24~8/29)が行われている東京都美へ行った。美術館が多く建ち並ぶ上野へ出かけるのは久しぶり。JRには新しい出口ができており、そこを出ると正面に上野動物園がみえた。以前は道路がありクルマが走っていたが、今はその光景が消えた。信号待ちがないため目的の美術館へすっと行けるようになっている。

現在鑑賞の日時を予約する美術館が増えていて、これがおっくう。折角の美術
館巡りがひとつでは淋しいので前もって東京都美に電話して予約なしでもみれる
か尋ねるとOKだといわれたので急遽イサム・ノグチ展にも足をのばすことにし
た。イサム・ノグチ(1904~1988)の抽象彫刻に関心を寄せているので
今回の回顧展は期待していた。でも、チラシをないのでどんな作品がでているの
か情報はゼロ。だから、展示室に入るとちょっと緊張した。

こういうときは目に馴染んでいる‘ヴォイド’の存在感や海蛇を連想させる‘下方へ引く力’をとっかかりにしてイサム・ノグチの世界へ侵入していくのがいい。最初の部屋の主役は光の彫刻’あかり’、竹と和紙でつくられた大小の球体やひねりをきかせた縦長の行灯などが心を和ませてくれる。日本人の琴線に響く‘あかり’がこんなにたくさん飾られているとは。

石を素材にした抽象彫刻はいろいろなヴァリエーションをみせてくれる。とく
に魅了されたのが‘無題1987年’(安山岩)、‘ねじれた柱’(玄武岩)、‘カエ
リ’(玄武岩)。‘無題1987年’の角いような丸いようなもっこり感はなぜ
か毎日たべているブロッコリーをイメージした。アメリカのトーテムポールが
すぐ浮かぶのがもっとも高さのある‘ねじれた柱’。そして、黄褐色とサメ肌の
ような色の対比がどきっとさせる‘カエリ’も強く目に焼きついた。

今回の大収穫は香川県高松市牟礼町にあるイサム・ノグチ庭園美(1999年
開館)に展示されている作品にお目にかかれたこと。若い頃1年間高松で仕事を
したことがあり、会社に牟礼に住んでいる同僚がいた。ところが、当時はまだ
芸術鑑賞の入口近くにさえいなかったのでイサム・ノグチが牟礼にアトリエを
もっていたことは知る由もなかった。時が流れて、幸運なことに牟礼にある
イサム・ノグチがどっとみれることになった。ミューズに感謝!      


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