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Channel: いづつやの文化記号
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Anytime アート・パラダイス! 黄山

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     加山又造の‘黄山霧雨’(1982年)

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     加山又造の‘黄山湧雲’(1982年)

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     加山又造の‘黄山煙雨’(1982年)

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  平山郁夫の‘神峰黄山雲海図’(2006年 平山郁夫シルクロード美)

旅行が趣味の人にとって新型コロナ感染の影響は限りなく大きい。わが家も
そういう人たちと同じ気持ちを共有している。昨年は楽しみにしていたアメ
リカ西海岸とアンテローㇷ゚キャニオンの旅がダメになった。今はリカバリー
を考えることすらできない状況。これはヨーロッパやほかの地域についても
同じ。海外旅行に出かけてもいいかなというのは早くて来年の秋くらい?
2年後の計画なら実現の可能性はありそうな気がするが、果たして。

ここ数年NHKのBS2で月一回放送されている‘体感!グレート・ネイチャー’を
楽しくみているが、今年3月は中国の安微省に広がる山岳地帯、黄山が登場
した。番組のタイトルがふるっている‘謎の立体山水画~中国・大黄山~’。
この奇峰と雲海が心をとらえる黄山、5年くらい前なら‘いつか黄山へ’という
思いはあったものの、今はあの傾斜のきつい石段はとても無理という心理的
圧迫のほうがぐんと強くなっている。依頼をうけて番組をつくった中国の
制作会社のスタッフはフーフーいいながら長い石段を登っていた。

1時間半の黄山物語で究極の絶景は冬の時期に遭遇するといわれる‘雲海’、
中国人画家の描く黄山のイメージはこの雲海につつまれた水墨山水画。雲か
らとびでた奇峰はまるで海に浮かぶ島のよう。その周りを雲は波濤のように
流れていく。気温、湿度、風の強さなどの条件がそろわないとみれない雲海
なので、運よく映像におさめることができると番組の価値はぐんと上がる。

贔屓にしている加山又造(1927~2004)は美術記録映画をつくるた
め1982年中国を訪問しており、黄山にも登っている。その体験をもとに
して描かれたのが‘黄山霧雨’、‘黄山湧雲’、‘黄山煙雨’。そして、平山郁夫
(1930~2009)も75歳のとき念願の黄山に行っている。その絵が
再興第91回院展に出品された‘神峰黄山雲海図’。


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