2日前の土曜日、富士急ハイランドにあるフジヤマミュージアムで富士山の
絵をたくさんみた。だが、この美術館をめざしてクルマを走らせたわけでは
ない。Go toトラベルでA旅行会社の日帰りバスツアーに参加したところ、
行程のなかに富士急ハイランドの‘リサとガスパールタウン’観光があり、時間
をもてあましていたらその横にフジヤマミュージアムがいいタイミングで
オープンしていた(12時開館)。なかでどんな絵を展示しているのかはじめ
はよくのみこめなかったが、入館料1000円を払って進むと浮世絵師
葛飾北斎、歌川広重や名の知れた日本画家・洋画家たちが描いた富士山の絵
が全部で67点も並んでいた。ここは富士山尽くしの美術館だった!
開館したのは2003年、所蔵作品をローテーションしながら常設展示し
ており、今でている作品は7/22~11/8の展示。ミュージアムショ
ップで目にとまった富士山の絵葉書を購入したが、飾ってない絵のものも
多く販売されていた。これをみると日本画では大観、安田靫彦、奥村土牛、
小倉遊亀、片岡球子、東山魁夷、横山操、加山又造、千住博といったビッ
グネームがずらずらっと揃い、洋画では和田英作、岡田三郎助、梅原龍
三郎、林武、田崎廣助、牛島憲之らがある。驚いたのは草間彌生の富士山
まで遭遇したこと。
ここにあげた5点はとくに魅了されたもの。加山又造(1927~2004)
は1点富士山をえがいたものはみたことがあるが、この‘富岳’は画集にも載
っていない。一番のサプライズは小倉遊亀(1895~2000)の‘霽れ
ゆく’、富士とくれば片岡球子の得意とする画題をすぐイメージするが、小倉
遊亀がこんな現代アートのような富士山を描いていたとは。美人画の伊東深水
(1898~1972)の‘三保の松’は構図のよさに思わずほっとする。
2017年文化勲章を受章した奥谷博(1934~)の‘黎明富士’は一瞬鳴門
の渦潮と富士山がコラボした?!のかと思った。おもしろいアイデア。
絹谷幸二(1943~)が友人の長嶋茂雄と一緒に描いた‘新世紀生命富士’は
いつもの絹谷流の赤を輝かせた富士。この絵の隣には俳優の石坂浩二と歌手の
八代亜紀の絵もでていた。