神奈川県立金沢文庫は京急線の金沢文庫駅から20分くらい歩くと到着する。
隣が金沢北条氏の菩提寺である称名寺。国宝などの寺の宝は金沢文庫で保管
されている。定期的に公開されている寺宝をみるため4,5回訪問した。
最初のお目当てだったのが国宝に指定されている金沢北条氏四代にわたる
肖像画。実時、顕時、貞顕、貞将。なかでもぐっとくるのが北条実時
(1224~1276)。剃髪姿で斜め右向きに座っている。威厳の感じら
れる眼差しはリアリテイがあるのでつい見入ってしまう。
金沢文庫の企画展として忘れられないのが2回あった運慶展。なぜここで
運慶展かというと称名寺の塔頭光明院が運慶最晩年の作品‘大威徳明王坐像’を
所蔵しているから。現在は左肩以下や脚部などが失われているが、当初は
六面六手六足がそろっていて水牛にまたがっていたにちがいない。
絵画は金沢四将像のほかにも仏画ではお馴染みの弘法大師像、菩薩像、十二
天像などはいくつもある。これらが開館80年の節目となる2010年に
ずらっと公開された。そのなかでサプライズの出会いだったのが‘十二神将像
寅神’、ありゃー、顔も手も緑色!こんなド派手な十二神将像はみたことが
ない。
中国との交易によってもたらされた元時代の青磁壺。重文に指定されており
長いこと対面を願っているが、まだ縁がない。じつは国宝、重文の青磁は
これ以外はコンプリートした。だから、あと一息なのだが、予想外に時間が
かかっている。