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Channel: いづつやの文化記号
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美術館に乾杯! 熊野速玉大社

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Img_20200106222301     国宝‘古神宝類 衣着’(14世紀)

Img_0001_20200106222301     国宝‘橘蒔絵手箱’(1390年)

Img_0003_20200106222301    国宝‘熊野夫須美大神坐像’(9世紀)

Img_0002_20200106222301     ‘那智山宮曼荼羅’(16世紀 熊野那智大社)

名古屋で仕事をしていたことがあり、運よく熊野三山を訪問することができ
た。クルマで国道42号をどんどん走り三重県から和歌山県に入るとまも
なく新宮市に到着する。街のシンボルとなっているのが古神宝類がどさっと
ある熊野速玉大社。だが、宝物館でお宝がいつもみられるわけではない。
その全貌を大方みれたのは2013年東博で行われた‘国宝大神社展’

萌黄地小葵の模様が目を惹く衣着は女神に捧げられた装束。すばらしい絹の
織物で柔らかい質感からすると着心地がよさほう。これまでお目にかかった
神服ではここと鎌倉の鶴岡八幡宮にあるものが一番心を揺すぶる。

大きな神社には必ずある蒔絵手箱でも熊野速玉大社はいいものが揃っている。
模様のバリエーションがいろいろあるなかでお気に入りは螺鈿の輝きが印象
深い‘橘蒔絵手箱’。神様に捧げるのだから、並のものでは話にならない。
だから、とびっきり腕のいい職人たちが最高の技を駆使して仕上げる。質の
高い手箱がずらっと並ぶと圧巻である。

神様の坐像がある時期から目の中に入るようになった。それまで美術の本で
はイメージできていたが、本物をみないと大きさや彫りの深さはわからない。
‘熊野夫須美大神坐像’で不思議に思うのは長いおかっぱ髪。このボリューム感
がすごく刺激的。純粋無垢の女の子がそのまま神様になった。長い黒髪が
神秘的に映る。

熊野川に上流にある熊野本宮大社と熊野那智大社もまとめて一気にみたか
記憶があやふや。2回でかけたような気がするのだが。美しい那智の滝に心を
奪われ、那智大社はどこをみたのか印象が薄い。こういうとき役立つのが
絵画、‘那智山宮曼荼羅’をじっくりみると熊野詣をしたんだということを思い出す。


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