渋谷のBunkamuraで開幕した‘印象派への旅 海運王の夢ーバレル・
コレクション’(4/27~6/30)を早速見た。展覧会の情報が入ってきた
ときは‘あのドガの絵が来るのか!’と心が弾んだ。その絵は‘リハーサル’、
ドガの画集には必ず載っている有名な絵。だから、この1枚をみるために出か
けた。
スコットランドのグラスゴー出身で海運業で財をなしたバレルがスコットラ
ンドの画家たちの作品と同様に熱をあげたのが印象派。そのなかで一際輝い
ているのがドガ(1834~1917)の‘リハーサル’、何枚も描かれたバレ
エの稽古の場面なのですっと画面に入っていける。ぶらっと稽古場に寄りこ
ういう一番いい場所で踊り子たちの姿がみれるとバレエがぐっと身近になる。
構図がとてもいい。奥の方には右にいる先生がみつめるなか右足立ちで体を
前に倒す動きを繰り返す少女たちがおり、手前には休憩中の子が椅子に腰掛
けている。ふたつのグループの間に大きなスペースをつくるところがドガ流
。さらにスゴイのは左に描かれたらせん階段をよくみると上のほうに足がみ
え下へ降りてきている。こういうトリミングの仕方は浮世絵を研究した成果。
大収穫だった!
この絵1点買いだったが、ゴッホ(1853~1890)の‘画商リード’が
オマケでついてきた。ほかは絵の完成度・魅力の点からいうと正直アベレー
ジクラス。あれれ、こんなもんという感じ。Bunkamuraが行う企画展として
は物足りないが、たまには1点だけで勘弁してくださいということもある
だろう。