今年の前半はブリューゲルの‘バベルの塔’とミュシャの‘スラブ叙事詩’の話題の作品が登場したため、展覧会鑑賞は一仕事終えたような気分になっている。そうはいっても展覧会へ出かけるのは大きな楽しみ、後半で期待しているものをあげてみた。
★西洋美術
ダヴィンチ・ミケランジェロ展 7/11~9/24 三菱一号館美
ボストン美の至宝展 7/20~10/9 東京都美
ゴッホ展 10/24~1/8 東京都美
セーヴル磁器展 11/22~1/18 サントリー美
★日本美術
タイ展 7/4~8/27 東博
藤島武二展 7/23~9/13 練馬区美
歌麿大作・吉原の花 7/28~10/29 岡田美
佳人礼讃 7/31~8/24 ホテルオークラ
ボストン美蔵春信展 9/6~10/23 千葉市美
狩野元信展 9/16~11/5 サントリー美
運慶展 9/26~11/26 東博
北斎とジャポニスム 10/21~1/28 西洋美
北野恒富展 11/3~12/17 千葉市美
(注目の展覧会)
すでにはじまっている三菱一号館美の‘ダヴィンチ・ミケランジェロ展’は素描が中心なので予定ではパスだったのだが、7/11からミケランジェロの大理石彫刻が展示されることがわかったので出動することにしている。ミケランジェロの彫刻は運よくコンプリートを達成しているが、この作品は近年発見されたものだから楽しみ。
ボストン美の至宝展の見どころはチラシに使われているゴッホの‘郵便配達夫ルーラン’、ボストン美は過去何度も自慢の印象派・ポスト印象派コレクションを公開してくれたが、この‘ルーラン’とカサットの‘桟敷席’だけはやって来なかった。
昨年その不運な記録にやっと終止符が打たれた。横浜美に‘桟敷席’がお目見えしたのである。これに続き今年は東京都美に‘ルーラン’が登場する。ゴッホ狂いにとってこれは一大事件なのでまわりの西洋絵画好きにおおいにPRしてきた。
東京都美は10月末からは‘ゴッホ展’を開催する。楽しみにしているのはプリンストン大美が所蔵する‘タラスコンの乗合馬車’。
日本美術関連では今月の28日から箱根の岡田美で公開される歌麿の‘吉原の花’(ワズワース・セーニアム美)に今ワクワクしている。この歌麿の三部作‘雪月花’の一枚が日本にやって来るのは2度目のこと。千葉市美で公開されたときは東京にいなくて見逃したので、リカバリーの機会がめぐってきたことを喜んでいる。
そして、西洋美の‘北斎とジャポニスム’への期待も高い。北斎のプラスαにどんな目玉を用意してくれているか、前にも書いたが、女性館長の馬場さんのことだから目を楽しませてくれるにちがいない。