昨年末に放送されたサイエンスゼロの公開講座で働かないアリの話とともに関心をそそる生き物の行動がもうひとつあった。それは‘托卵’。カッコウはオオヨシキリに自分の卵を育てさせるという。
毎週、NHKの‘ダーウィンが来た’(日曜、夜7:30~8:00)を熱心にみている隣の方はこの托卵を知っていたというし、先月お酒を飲んだ友人もすでに承知で話にのってきた。となると、世間では多くの人が知っていること?まあ、それはどうでもいいことだが。
カッコウはオオヨシキリの巣から卵を1つ捨てて自分の卵を産む。オオヨシキリはそれに気づかずに温める。驚くのは孵化したカッコウの雛が大胆な行動をとること。なんとオオヨシキリの雛を落とし餌を独占する。自分の雛がいなくなってもどういうわけかオオヨシキリはカッコウの雛に餌を与え続ける。
だが、最初は騙されてもオオヨシキリは時間がたつと卵を見分けるように進化し強くなる。そうすると、カッコウはさらに技巧をこらしよく似た卵を産むように進化する。するとオオヨシキリは見分けられない。ともに生き残れるように形を変えていく。これを‘進化の軍拡競争’というらしい。
どういう結果になるのか、オオヨシキリが見破る確率が5割、托卵されてだまされる率が5割、だから、共存という安定状態に落ち着く。オオヨシキリは絶滅しない。
そもそもカッコウはなぜ托卵をするようになったのか。自分の巣で育てたほうが効率が高いのにオオヨシキリの巣に卵を産みつけるのはリスク管理をしているから。巣が壊れることもあるのでこれを避けるために托卵するようになった。短期的な効率性より長期的な永続性を優先する。なるほど、そういうことだったのか!
進化生物学に嵌ってきた。関連本を10冊くらい読むつもり。